Boycriedwolfbarlow

専門家の間では、市場がトランプ大統領による貿易関税強化の問題をスルーするようになっているとの見方が浮上していると言います。

米中の貿易戦争が激化する様相を見せているにもかかわらず、場が終わってみれば小幅安またはプラスで終了するシーンが目立ってきたのです。

「市場は、一連の関税を巡る問題にかなりマヒしてきている。貿易戦争はトランプの交渉手段の1つとなっていることに慣れてきている。」と指摘しています。

そもそも、投資家、すなわち市場は大変臆病で、地政学リスクにすぐに過敏に反応しがちです。

しかし、地政学リスクが発生したところで、大抵の場合は企業業績に影響が無いことはよく知られており、リスク後退後は何事も無かったように株が買い戻されることが多いのです。

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たとえば、昨年度は北朝鮮が日本に向けて複数回に渡りミサイルを発射してきました。

発射の度に日本市場は乱高下を繰り返し、投資家心理を悪化させ続けたのです。その結果、日経平均が連日300円以上も下げるなど、株式市場は揺れ続けました。

しかし、北朝鮮がミサイル発射を繰り返す度に、市場は耐性を付けてきました。株価がミサイルで下落することが無くなってきたのです。これは、ミサイルを実際に日本に当てる気などサラサラ無く、単に構ってほしいだけということが市場にバレてきたためです。

イソップ物語のひとつに、「狼と羊飼い」があります。

羊飼いの少年が、退屈しのぎに「狼が来た!」と嘘をついて騒ぎを起こしますが、騙された大人たちは慌てて武器を持ってきます。しかし、嘘なので狼がいるはずも無く、徒労に終わります。

少年が繰り返し同じ嘘をついたため、本当に狼が現れた時に大人たちは少年を信用せず、誰も助けに来なかったのです。そして、村の羊は全て狼に食べられてしまいました。

過剰、または誤ったアラートが続いた結果、脅威に対して人間は鈍感になってしまうのです。

今回のトランプ大統領による貿易関税強化発言により、市場は動揺し続けましたが、過剰なアラートが投資家を鈍感にさせています。

さらに、トランプ大統領の一連の攻撃は、「中間選挙のためのパフォーマンスに過ぎないハッタリ」であることが、ようやく世界中の投資家に知られ始めています。

株価はいずれ落ち着きを取り戻し、あるべきところへ戻っていくでしょう。

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セス・スティーヴンズ=ダヴィドウィッツ
光文社
2018-02-15