投資には順張り・逆張りという用語があります。

ざっくり言うと、 

順張り = 株価上昇中に買うこと
逆張り = 株価下落中に買うこと

です。 

どちらも投資家から認められた合理的な投資手法に違いありませんが、あなたがどんなスタイルの投資家なのか?によって、採用すべき選択が異なります。

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まず、配当重視(インカムゲイン)であれば逆張りで良いです。

今年のような優良高配当株が軒並み下落する局面では、必然的に配当利回りが高くなります。配当重視であれば、見るべきなのは株価よりも配当利回りであるため、シンプルに利回りが高くなった方がオトクなのです。そのため、株価が下落する局面で魅力的な利回り水準になれば、これは「買い」となります。

対して、含み益重視(キャピタルゲイン)であれば順張りで買うのが基本です。

含み益を追求する投資家はグロース株を中心に投資していることが多いですが、グロース株は業績とは乖離した「期待値」で買われることが多いため、一度上昇トレンドに火がつくと青天井です。そして、短期トレーダーなどが利ざやを稼ごうと便乗してくるため、更に株価が大きく上昇するのです。

たとえば、日本マーケットにおいては、このような投資をイナゴ投資法と呼んでいます。イナゴとは、バッタの種類であるイナゴが稲穂に群がるように、魅力的な銘柄に一斉に群がる様子を表した言葉ですが、イナゴが群がって出来上がる急騰チャートをイナゴタワーと呼びます。

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しかし、イナゴが去った後のチャートは酷いものです。
 
成長株は上昇局面「以上」の期待値がない限り、イナゴタワー形成後の株価上昇はほぼ見込めなくなります。また、グロース株は無配であることも多いため、下落した後に塩漬け銘柄にしたところで、投資家に何のメリットももたらしません。

そのため、グロース株に関しては上昇チャートを描いている時こそ買いであり、高値で売り切るというのが順張り投資の鉄則なのです。つまり、グロース株を逆張りしてしまうと致命的な結果をもたらす可能性があるのです。

今、米国株ではFANG(Facebook、Amazon、Netflix、Google)と呼ばれるグロース株投資が激アツですが、これは先述したイナゴタワーとは異なり、圧倒的に実績を伴った価値が株価に反映されていると言えます(期待値ももちろん織り込まれています)。そのため、日本株におけるグロース株とはまたちょっと性質が異なるということは言及しておきます。

とはいえ、同じ成長株には違いありませんから、警戒は必要です。成長株というのは、上手く経営が波に乗っているうちはイケイケドンドンで株価は上昇し続けますが、成長に少しでも曇りが見えた段階では鬼のように売られまくるのです。

対して、配当重視のバリュー株であれば、そもそも成長過程が収束し、安定期に入っている銘柄なので大幅な株価上昇は見込めないのですが、安定した高い配当を毎年手にすることができます。そのため、基本的には株価よりも配当利回りを重視すべきであるため、今年のような投げ売り局面で逆張りを行うべきなのです。

つまり、投資戦略としては、 

「含み益重視=順張り」

「配当重視=逆張り」

とするべきで、あなたがどのような投資スタイルを重視するか?で、最適な戦略はガラッと変わります。

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