ユニリーバ

ユニリーバはP&Gと並ぶ世界有数の一般消費財メーカーです。
本社をオランダとイギリスの両方に置き、株式をロンドン市場とオランダ市場の両方に上場させています。

そんなユニリーバが、1世紀近く維持したイギリス本社を閉鎖し、本拠地をオランダに一本化すると発表しました。果たして、ロンドン市場に上場しているユニリーバ(UL)はどうなってしまうのでしょうか…?

というのも、ロンドン市場上場のイギリス株だとADR扱いで外国源泉徴収税が一切掛からず、NISAとの相性も非常に良いため、ULは日本の外国株投資家に人気の銘柄でした。しかしながら、ロンドン市場に上場しているULが廃止されてしまうと、オランダ市場のUNのみになってしまうことから税制面で非常に不利なため、投資妙味が薄れる恐れがあります。

 - ロンドン市場:UL:外国源泉徴収税0%
 - オランダ市場:UN:外国源泉徴収税15%

ご覧の通り、オランダ株は外国源泉徴収税が15%もあり、日本の配当税を合わせると35%も所得から引かれてしまうことになります。これでは税金が高すぎて、とてもじゃないですがユニリーバに投資する気にはなれません。

フィナンシャル・タイムズによると、オランダ側はマーク・ルッテ首相がユニリーバに対し、本拠地をロッテルダムに決定するよう働きかけてきたと言います。さらに、オランダは国内での反発にもかかわらず15%の配当税を廃止することを昨年12月には既に決定していたようで、これからは"海外からの投資を促進していく"と方針を示しました。

報道内容から読み解くに、オランダ株もイギリス株と同様、今後は外国源泉徴収税が無税となると読み取れるのです。

さらに、オランダは長期的視野に立つ投資家に対し、(詳細は不明ですが)特別ルールを設定しているとあります。もしかしたら、イギリス株よりもオランダ株の方が投資妙味が出てくるといった期待が持てるかもしれません。

さて、この問題の結論ですが、タレコミ情報(ロンドン共同)によると、ユニリーバは本拠地をオランダに一本化した後も、ロンドン市場での上場は続けることが判明しました。つまり、イギリス株のULで保有している投資家には特段影響は無いことが分かりました。

ホルダーさんはひと安心ですね。

ちなみに、石油メジャーであるロイヤル・ダッチ・シェルもユニリーバと同様、本社をオランダとイギリスの両方に置き、株式をロンドン市場とオランダ市場の両方に上場させています。今後、シェルもユニリーバの動きに追随する可能性があるため、ホルダーとしては注視していきたいところです。

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