大阪大学をモデルとし、医局制度などの医学会の腐敗を描いた『白い巨塔』

神戸銀行(現三井住友銀行)頭取一族の策謀を描いた『華麗なる一族』


JALの墜落事故と、労使の深い溝を描いた『沈まぬ太陽』

実際の事件や出来事に基づいた、権力や組織の裏側などに迫る社会派小説を多数輩出した山崎豊子の作品の中でも、最高傑作と言われる

『不毛地帯』

この作品は5大商社のひとつである伊藤忠商事がモデルとなっており、繊維商から強大なコングロマリット・モデルを確立するまでのヒストリーを描いています。

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そんな不毛地帯のラスト・ストーリーは石油開発。

主人公の壱岐(モデル:瀬島龍三)は日本軍の元参謀で、第二次世界大戦を経て近畿商事に入社。参謀時代の手腕を生かし、近畿商事の社員として辣腕を振るいました。数々のプロジェクトで成果を上げ、社の発展に大きく貢献した末に、副社長まで上り詰めるのです。

そして、彼自身の最大であり最後のビジネスとなった、イランのサルベスタン鉱区開発。

「石油や鉱物資源を取引だけでなく、資本で押さえることは長期的な会社の利益になるだけでなく、国益につながる」

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近畿商事はアメリカ独立系石油開発会社オリオン・オイル社とJVを組み、落札を目指します。オリオン・オイルと協議して、入札価格を3990万ドルに設定し、締め切り直前に入札・そして落札。アメリカと組んだことで、今まで売国奴とバッシングしていたマスコミが、手のひらを返したように近畿商事を賞賛したのです。

壱岐は語ります。

石油の一滴は、血の一滴。

戦争を経験した自身が、石油にかける想い。

その想いは、石油を戦争で手に入れるのではなく、真っ当なビジネスで手に入れたいという、悲劇の歴史から来ています。

資源の無い日本において、私たちが普段意識することないほどに石油の恩恵に預かれているのは、幾多もの血が流れ、偉人によって供給インフラを築いてきた恩恵があってこそなのです。

石油は人類に無くてはならない最重要資源であり、これからもその事実は変わりません。

■21世紀の石油事情
石油、つまり原油はアメリカのシェール革命により供給過多となっており、原油価格は歴史的な暴落中です。現代で枯渇すると散々言われてきた原油は、技術革新により多くの掘削が可能となりました。

追い打ちをかけるように、一番の稼ぎ頭であるガソリン事業についても先行きは暗くなりつつあります。欧州ではディーゼル車とガソリン車の販売を禁止し、全面的に電気自動車化していく方針を打ち出すなど、石油会社は苦しい立場に追いやられつつあるのです。

しかし、過去には原油を巡って戦争まで起きていたことを忘れてはなりません。未だに様々な工業製品やインフラで原油が活用されています。代替エネルギーが現れようが、原油需要が減少しようが、人類は原油を使わなくなることなど到底不可能だと考えるのです。

インフラは強い。
当たり前に使われ過ぎており、気にもしなくなった商品こそ価値があります。

原油の価値が見直されるときは、近い将来必ずやってきます。
原油や石油会社は、価格が下がった今だからこそ絶好の仕込み時といえそうです。

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さて、そんな石油メジャーであるロイヤル・ダッチ・シェルより四半期配当金を受け取りました。

配当金

ロイヤル・ダッチ・シェルは、同じ企業ではありますが、RDSARDSBとして株式市場に登録されています。

国別の石油会社が合併したことによって誕生したのがロイヤル・ダッチ・シェルであるため、双方の株式における扱いが異なるのです。

RDSAは元のRoyal Dutch Shell Companyに関連付けられており、RDSBは英国のロンドンに本社を置く同社の船舶門であるShell Transport and Tradingに関連しています。 

RDSBは外国税が非課税であるため、買うなら断然こちらの購入をオススメします。

両者の税制上の違いは以下の通りです。

ティッカーRDSARDSB
オランダイギリス
外国税15%0%
日本税20%20%

配当利回りですが、XOM、CVX、RDSの大手石油メジャーは総じて高配当です。
RDSBの利回りは6%にも上ります。

堅実なインフラビジネスで、これだけの利回りは魅力的です。

ポートフォリオに加えることで、必ず戦力になってくれる超優良株となります。

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