もはや、東芝は増資以前の問題ですが、日本企業はいとも簡単に増資を行います。

今回は増資を取り上げてみます。

■増資とは?
「株式会社」では株式をマーケットに発行し、投資家に買ってもらうことで資金を調達します。
そして、増資とは、その名の通り「資本を増やす」ことを目的としており、資金調達のために新たに株式を発行することを指します。

もともと株を持っていた人からすると、株式発行数が多くなるため、1株の価値が希薄化してしまう問題があります。すると、1株の価値が下がり、株価下落に繋がります。コップに入っているドリンクを水で薄めるようなものですね。

■具体的な例
もう少し具体的に説明します。


時価総額 = 株価 × 発行済株式数


時価総額は上記の方程式で成り立っていますが、増資とは発行済株式数を増やすことです。
企業の価値(時価総額)は変わらないのに、発行済株式数が増えただけで、時価総額が上昇したらおかしいですよね?どこの企業も、増資合戦になってしまいます。

つまり、時価総額を調整するため、発行済株式数が増えると、必然的に株価が下がるのです。
そうして、時価総額は増資前とトントンになるわけです。


このように、増資というのは株価下落に直結するために、増資は株主軽視行為といわれます。


■良い増資と悪い増資
ただし、増資には「良い増資」と「悪い増資」があります。


良い増資 = ベンチャー企業が成長事業に投資するために資金を調達する
悪い増資 = 大企業が経営ミスのため、設備投資等の理由を謳い資金を調達する



日本で行われる増資は、圧倒的に後者です。
だからこそ、日本では増資は悪といわれる所以になっています。

過去を振り返っても、三井不動産、出光興産、MUFG、JAL、東京電力など、日本を代表する企業が平気で増資をしてきています。日本証券業協会では、日本企業が簡単に増資してしまう背景は問題だと認識しており、レポートで簡単に増資をしてしまう日本企業を痛烈に批判しています。

増資

このレポートを纏めると

・日本と米国を比較したところ、増資制度は日米で特段の違いはない。

・しかし、大規模な増資は圧倒的に日本企業が多い。

・増資は既存株主の軽視に繋がるため、問題だと捉えている。


と公表しています。

次です。

増資2

衝撃的なことが書かれています。

・公募増資の目的や資金使途が不適切。



不適切



一部っていうか、全部不適切。


そうなんです。

日本では基本的に不適切な増資がまかり通っているのです。

■不適切な増資
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例えば、石油大手の出光興産。

昭和シェル石油との合併において、創業家側と経営陣の対立問題に揺れる出光興産は、33.92%(合併の特別決議を拒否できる3分の1超の議決権)の同社株式を保有する創業家側の持ち株比率を希薄化し、昭和シェルとの早期の合併実現を図る手段として増資を利用しました。

通常、増資とは新たに株を発行することで資金調達をし、設備投資や借入金を返済する手段に用いられます。
しかし、そもそも3割もの大増資を行う経営的背景は同社には存在しません。

原油価格が過去に類を見ない程下落している昨今の状況では、設備投資はリスクが大きすぎます。
また、同社の自己資本比率は22.1%と比較的安定した水準であるため、わざわざ増資してまで借入金を返済する必要性もありません。


つまり、お家騒動の解決手段として、株主権利を悪用したといえます。


増資を発表した出光の株価は、前日比-11.17%下落の大幅安となりました。


あなたは、許せますか?


このような増資はいわば、資本主義のルールを徹底無視した行為になります。
株主の利益のために働く経営陣が、政治的な理由で株主権利を希薄化させる暴挙に出ているのです。

資本主義理念が深く浸透している米国では、即刻訴えられて然るべき事案になるでしょう。

■米国は株主ファースト
トランプ


米国企業は株主ファーストです。


株主の権利は最大限に守られるべきであり、会社は株主のために働く資本主義のルールが徹底されているからです。

出光のような暴挙に出れば、即刻訴えられて社会問題となります。
しかし、日本は社会問題どころか何事もなかったかのように過ぎ去りました。

企業も企業ですが、株主も株主です。

日本はボラティリティが高い賭博場なので、一般人にとっては難しいマーケットとはよく言われますが、このような株主への姿勢に関しても日本マーケットへの投資難度を高めてしまう要因となっていると考えています。

株主ファーストである米国の方が、圧倒的に投資する価値があると思います。

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