米国中間選挙がほぼ終わりました。
連邦下院選は、まだ未確定の議席があるながらも共和党が連邦下院多数派を奪還することが確実となりました。連邦上院はほぼ互角ながらも民主党が多数派を維持する見通しです。これによって、下院は共和党が多数派、上院は民主党が多数派のねじれ議会が生まれることになりました。
ねじれ議会は過去にも発生しており、直近では16年のトランプ政権(上院:共和党、下院:民主党)、10年のオバマ政権(上院:民主党、下院:共和党)などがこれにあたります。
※トランプ氏は共和党、オバマ氏は民主党
この記事では米国中間選挙の振り返りと、今後の米国株式市場がどうなっていくかを簡単に解説します。
中間選挙の意味
中間選挙は、大統領選挙の任期4年の中間に行われる選挙であることから現職の大統領に対する評価の場でもあるとされています。
中間選挙では大統領選で勝った政党(今回でいえばバイデン氏の民主党)には厳しい目が向けられるため、過去も議席を減らす場合が多いです。実際、今回の中間選挙直前では共和党がかなり優勢だという報道が多数を占めていました。
そもそも米国議会は上院、下院に分かれており、それぞれ任期や人数も違います。大統領の政党が上院・下院どちらも多数派を占めれば政権運営に有利に働くというのは簡単に理解できると思います。
下院には予算の先議権があり、今回の中間選挙では共和党が多数派になりました。現大統領のバイデン氏は民主党の人間なので、与党・民主党側が提出する予算案や法案は簡単には成立しにくくなります。つまりバイデン大統領は難しい政権運営を迫られることになるというわけです。
とはいえ、今回の中間選挙では、事前予想では共和党がかなり優勢でした。思いのほか民主党が善戦したといえる中間選挙だったのではないでしょうか。
今回の争点は・・・?
今回の中間選挙の論点はいくつかありましたが、有権者の最大の関心はもちろん経済・インフレ対策です。
2022年はインフレ率の急上昇で利上げが続いており、米国民の生活にもかなり影響しています。
また、今年6月の最高裁の判断から人工妊娠中絶の問題や、銃規制や共和党が犯罪の温床だと主張する移民問題についても争点となりました。
米国株は中間選挙後に上昇する傾向
過去の経験でいえば、米国の中間選挙後には株式市場は上昇する可能性が高いです。
S&P500指数のデータをみると、1950年以降で中間選挙の年の10月末以降の6か月かおよび1年間のリターンがマイナスとなったケースは、いずれも一度もありません。
平均リターンは、6ヵ月間で +15.2% 、1年間で+17.1% 、 2年間で+25.6%と、中間選挙の年の10月末から2年後の大統領選にかけて投資期間が長いほどリターンが大きくなる傾向が見られます
ただし、現在の状況は過去の中間選挙とは異なっているということは認識しておかないと痛い目を見るかもしれません。現在はインフレ率が高止まりしている状態で利上げの途中です。さらに債券利回りは短期国債の利回りが長期国債の利回りを超える逆イールド状態が発生しています。
通常であれば中間選挙は米国株式を始めるチャンスとなるタイミングです。利上げなどの状況には注意しながら米国投資を開始してみるのも良いかもしれません。
中間選挙後の株式の動きには要注目です!
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