2022年の米国株はインフレ抑制のための利上げなどにより下落が続いています。
2022年9月20日~21日にはFOMCが開催され、さらに利上げが行われる予想です。(市場予想では0.75%上昇予想が有力)

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出典:tradingviewにて作成 S&P500指数の年初来推移


全体的に米国株式市場が軟調な動きをしているなかで、比較的好調な動きをしているセクターも存在します。

それは「エネルギー関連」です。

ロシアはエネルギー生産大国ですが、ウクライナ問題により今までのような供給をすることはなくなるでしょう。そして米国もエネルギー大国であり、その存在感が今後大きくなることが予想されます。

車に乗っている方であれば、ガソリン価格が高騰したと感じる人と思います。
米国の主な原油指標であるWTI原油先物価格は2022年に急騰しました。

この記事ではそんなエネルギー関連の話でMLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ)について紹介していきます。MLPは聞いたことがない人もいると思いますが、日本の投資信託でも購入可能なファンドが存在します。

米国のエネルギー関連は当面の間利益拡大が見込めるので、MLPがどういったものかを理解しておくだけでも損はありません。エネルギー関連の投資に少しでも興味があれば最後まで読んでみて下さい。




MLPとは

MLPはMaster Limited Partnership(マスター・リミテッド・パートナーシップ)の略で、エネルギー事業を主な収益源とする米国の共同投資事業形態の1つです。総所得の90%以上を特定の事業(この場合はエネルギー関連事業)から得ておりその出資持分がニューヨーク証券取引所やNASDAQなどに上場されているものを指します。

不動産の主要な収益源とするREIT(不動産投資信託)と形態が似ていると言われています。
米国MLPでは収益が安定しているパイプラインや貯蔵施設といったエネルギー関連インフラ事業を対象としたMLPが多いです。

MLPの特徴として高い配当があげられます。これはMLPでは事業の運営に必要のない収益は配当として分配しなければならないと定められているためです。

日本市場で購入できる投資信託でもMLPに関するファンドも存在しています。これを見てもわかる通り、非常に優秀なリターンを出しています。(つみたてNISAの対象にもなっています)

ファンド

6カ月騰落率

1年騰落率

日興-インデックスファンドMLP(1年決算型)

42.03%

78.81%


MLPの動向を測るうえで参考になる指標は、「アレリアンMLP指数」や「S&P MLP指数」です。

アレリアンMLP指数は、米アレリアン社が算出している指数で、1995年12月29日を基準日(100)とし、ニューヨーク証券取引所に上場しているMLP関連の50銘柄で構成されています。

S&P MLP指数はMLPの中でもエネルギーセクターまたは公益事業セクターのガス産業に属する銘柄を対象とした、浮動株調整後の時価総額加重を基本とする指数です。(上の投資信託はS&P MLP指数を対象インデックスとしています)

最近のMLPの動き

年初からMLPを含むエネルギー関連は好調を維持しており、決算発表でも主要なMLP関連企業は、その多くが市場予想を上回る結果になっています。

主要な米国MLP・中流エネルギー企業の2022年4-6月期の決算状況
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8月のアレリアンMLP指数は全体として上昇しましたが、8月下旬はすこし下落しています。これはジャクソンホール会議でのパウエル議長の講演によるものです。(端的に言えば利上げが強調され、米国景気の先行きに不透明感が増した内容です)

基本的に米景気が好調であれば、エネルギー需要が拡大する見通しになるため、MLP市場も好調になります。

ただし、MLPは冒頭でも説明した通り高い利回りが期待できます。そのため、足元の米国景気が不安定でボラティリティが高くなっている状況の中で、安定的に配当が見込めるMLPに資金流入していると予想されます。

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出典:TraidingViewにて作成

画像はS&P500指数【緑線】とアレリアンMLP指数(AMJ)【青線】、エネルギーセクターETFのバンガード 米国エネルギーセクター ETF(VDE)【オレンジ線】の年初からの推移比較です。

全体的には似たような動きをしていますが、S&P500が年初から下落しているなかで、エネルギー関連銘柄が好調であることがわかります。6月に関してはWTI原油先物価格が急落したタイミングで引きずられた形になっています。

また、米国エネルギー情報局(EIA)は7月25日に米国が世界最大の液化天然ガス(LNG)輸出大国になったと発表しました。(2022年上半期(1~6月))

LNGというのは天然ガスを冷却した液体です。天然ガスは液体になると容積が600分の1になります。この特性を利用して、パイプラインではなくLNGタンカーで大量の天然ガスを輸送することができます。欧州を含む世界的なLNG需要増や価格上昇はMLPにも好影響を与えると考えられます。

エネルギーへの注目度はやはり高い

今後の問題は米国全体の景気動向です。基本的には米景気が好調であればエネルギー関連も恩恵を受けることができます。

2023年頃から利下げが開始されるとしてもそこから1年程度は利下げが続くことになります。2001年のITバブル崩壊や、2007年のサブプライム問題、翌年のリーマンショックなど過去の実績では利下げが終わるまで株価は下落基調でした。

ただし、現状は米国市場全体が下落しているなかでもエネルギー関連は好調な動きをしており、この流れは当分の間続くと予想されます。

今回紹介したMLPを含めたエネルギーの注目度は高く、現在であればリスクヘッジとしての銘柄として利用することもできそうです。

MLPは今後期待できる投資先になりそう!