(画像出典:CyberAgent, Inc.)
「憂鬱でなければ、仕事じゃない」
これはサイバーエージェントCEOである藤田晋氏と、幻冬舎社長の見城徹氏による書籍のタイトルです。
タイトルが個人的に好みと言いますが、本質を述べているので好きですね。
皆さんは何のために仕事をしていますか?
生活のため、投資資金捻出のため、自己実現のため。
いろいろあると思いますが、やはり生活のために働いている、というのが普通です。
つまり、世のサラリーマンは本来はやりたくもない仕事を生活のために「仕方がなく」やっています。
仕事は誰でも憂鬱です。
毎日好きでもないことをやらされ、長時間ストレスを抱えながら、満員電車で会社に通って業務をこなす日々。好きなことを仕事にしている人でさえ、仕事が毎日楽しいというわけではありません。
趣味をビジネスにするほど苦しいものはないですから。
そう、どんな仕事であれ、仕事というのは基本「憂鬱なもの」なのです。
本書の著者である藤田晋氏は憂鬱だという「仕事」に対して、物凄い執念を持っています。もともと、藤田晋氏はインテリジェンスに入社したサラリーマンです。当時から、その働きぶりはハードワーカーそのもので、ブラックと称されるほど凄まじいものでした。
- 朝5時に出社する
- 始業前に資料を纏め、朝9時から客先に向かう
- 毎日終電まで働く
- 土日も働く
- 食事は社内にあった自動販売機のパンのみ
このようなハングリーさが功を奏し、一年目から圧倒的な営業成績を残しました。努力の基礎に本人の能力もあったと思いますが、ガムシャラに努力する大切さを訴えかける姿は多くのサラリーマンに影響を与えました。
私はブラックな働き方を推奨するわけではありません。
長時間労働をしようがしまいが、仕事というのは結局はアウトプットした成果が全てですので、プロセスは関係ないと考えています。成果を出す上でのやり方は人それぞれです。
全ては信頼関係で成り立っている。
藤田晋氏はインテリジェンスを退職し、起業したサイバーエージェントで東証一部に上場するまでの成果を成し遂げました。このような成功者が決まって述べる言葉があります。
それはこの書籍にも書かれています。
あらゆる人間関係は、信頼で成り立っているのだ。
これこそ人間が生きていく上での全ての本質だと考えています。
プライベートでもビジネスでも、全ては人のために何かを与え合う活動です。
私たちが豊かに暮らしていけるのも、互いに価値を与え合っているからこそ成立しています。
それには信頼というのは非常に重要なファクターとなります。
不誠実なビジネスをする企業は淘汰され、人々から信頼を勝ち取った企業が最終的には残ります。
お金だって人々の「信頼」によって価値が創造されている最たるものです。
世の中の全ては信頼で出来ているのです。
どんな仕事であっても本質は変わらないと思います。
同僚であったり、上司であったり、お客様であったり、結局は自分の価値を与え合い、信頼を構築し合う作業。仕事内容はいわばツールでしかなく、生きる上で大事なのは人とどのような関係を構築していくか、ということに尽きます。
歳を取って振り返ったとき、長年築き上げた信頼は自分の財産となっているはずです。嫌な仕事や難しい仕事であっても、人との繋がりの中で模索し、解決していくことで信頼関係が構築され、中にはプライベートまで仲が深まる相手が出来ることもあるでしょう。
そう考えると、仕事内容がどうとかってぶっちゃけあんまり関係なくなります。
これは投資も同じです。
企業活動は詰まるところ、人々に価値を与え、信頼を獲得していく作業です。その信頼を私たち投資家は評価し、身銭を切って出資という形で応援しているのです。
信頼に報いる形で企業は投資家にありがとうの気持ちを配当で表します。反対に、東芝みたいな不誠実な対応やっている企業は信頼が失墜します。信頼が失墜した企業は消費者にも投資家にも見放され、近い将来必ず淘汰されます。
それは歴史が証明しています。
仕事も投資も、信頼こそが全てであり、それをコツコツ構築し続ける作業です。
憂鬱なことも、自分の生涯における信頼構築の場だと視点を変えるだけで、少し前向きに物事を捉えることも出来るのです。
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