タンス預金

第一生命経済研究所が発表した調査結果では、2016年末の日本での現金残高は102.4兆円となったそうです。タンス預金の増加が勢いを増しており、ついに100兆円の大台に乗ったのです。一人当たりに換算すると、一人頭なんと100万円をキャッシュとして手元に置いている計算です。

現金が銀行口座にあれば、銀行がその資金で融資や運用をすることで間接的に経済に貢献できますが、タンスに溜め込むのは「究極の死に金」となります。このマネーが市場に出回れば、体内で血液が循環するように経済が活発化することになります。割安に放置されている日経平均も、企業業績をきちんと反映することにより3万円は優に超えるでしょう。

企業は設備投資や人的投資を積極的に行うことで収益を最大化し、労働者にも給与アップという果実を与えます。また、好景気の雰囲気が漂うことで、人々は積極的に消費をするようになります。それが良い循環を生み出して、国力を底上げすることになります。アベノミクスが描いたシナリオはまさにこうだったはず。

そもそも民主党政権時代には超大手まで潰れそうになる企業が続出するほど不景気であったため、アベノミクスによる量的緩和で回復した企業の姿はまるで「水を得た魚」でした。そこから更に日本を筋肉質にしていくには、企業努力ももちろんですが、これから先は政府主導による国民への金融教育が不可欠になります。

先日、日銀の黒田総裁が英オックスフォード大で講演した際に「日本人に消費させることがこれほど難しいとは思わなかった」と発言したことが話題となったように、日本人は投資も知らなければ金の使い方も知らない人種なのです。

結局、金融教育がないから経済が回らない。

タンス預金が増えているのは日本の金融政策が理解されていないからです。投資がギャンブルだと思われているのは投資の勉強をする機会がないからです。良い消費を知らないのは親世代もお金の勉強をしなかったからです。

国が強くなる基盤は全て教育に集約されるといいます。教育が優秀な人材を育て、国を強くします。教育が疎かにされている国は経済的にも貧しい国が多いものです。

では、日本ではどうかというと、「優秀な労働者になるため」の教育を小中高とさせられます。起業家や投資家視点での経済の勉強など一切出てきません。これは富国強兵の時代から、一向に国の教育方針が変わっていないためでもあります。

そりゃそうです。国会議員でさえ、GPIFが一時的に含み損になったというだけの意味不明なニュースで大騒ぎし、国会で無駄な追及ばかりする有様なので、そもそも金融教育を行うべきだという考えすら頭にないのでしょう。

国の代表がそのレベルなのですから、教育改革で金融教育を盛り込もうなどは到底出てくるはずもありません。日本人の価値観はおそらく今後も変わらないと思います。

しかし、インターネットが普及し、世界の様々な情報を入手できる若い世代は変わってきているように思えます。21世紀ではインターネット革命により、勉強するだけであれば学校なんて不要な時代に突入しつつあります。自主的に学ぶ人はインターネットでリアルタイムに最新の情報に触れ、情報を自分のものとします。

昔はちょっと気になったから調べるなんてことはできませんでした。学校の先生や親に聞こうとしても、その世代が金融教育を受けてこなかったのですから、わからないに決まっているので個人的な感情で物事を説明します。昔は正確な情報を入手することすら難しい時代でした。

天動説

天動説が当たり前とされる価値観が変わったのは、天動説を信じる世代がいなくなったからだと言います。人の価値観はそう簡単には変わりません。歳をとってからだと尚更です。

私の感覚ですが、投資に興味を持つ人も徐々にですが増えてきているように思えます。親や先生に聞くよりも、ネットの方が個人レベルで圧倒的な情報を提供してくれています。世界中の人が先生や親になり、多大な情報をタダ同然で教えてくれる時代です。

21世紀の最高の発明はインターネットです。インターネットとともに成長する世代は、想像がつかないくらい賢い人で溢れるはずです。グローバリズムとはこのことを指します。この世代が中心になる頃には、日本でも金融リテラシーを持つ層が増えて、より活発な経済大国になっていることが期待できるのかもしれません。

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