年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2016年度の運用実績を発表しました。結果はなんと7兆9363億円の黒字!総資産額は過去最高の145兆円を上回る勢いです。世界的な株高の影響はもちろん大きいですが、年々増加する配当金が資産増加ペースを押し上げているのは間違いありません。

世界最大のファンドと呼ばれる程に運用額が巨大なGPIF。アインシュタインの「複利は人類最大の発明」という言葉の通り、雪だるまの芯を完成させてからというもの、一気に右肩上がりの好成績をチャート上に形成しています。

GPIF運用益

GPIFは国内株式、外国株式、国内債券、外国債券の分散投資で運用しておりますが、収益のほぼ全てが株式から来ていることに注目です。同機構が公開しているポートフォリオを確認すればわかりますが、株式ポートフォリオはインデックスのETF買いにほぼ等しいものとなっています。

国内は日経平均、外国株式はS&P指数に限りなく近い構成です。つまり、GPIFは実質日本株と米国株で運用しているだけでこの好成績を叩き出しているのです。インデックスを追っていくだけで資産形成できると様々な優良投資本や歴史が語っていますが、ここまで実際に資産形成のお手本を清々しく実証してくれているファンドもないでしょう。まさに良い意味での生ける実験室状態です。投資家には大変良い見本になりますね。

ちなみに、同機構は市場運用開始以来、リーマンショックの時期を含めても平均収益率は年率+2.89%!累積収益額は+53.4兆円となっているそうで、資本主義社会の終焉と呼ばれた同ショックさえも軽々とクリアしています。これを見ると、やはり日本株、米国株の大型優良銘柄に投資し再配当で資産を加速させることは間違っていないということを改めて確信いたしました。GPIFが改めて証明してくれています。

さて、昨日7日付けで2016年度末の保有銘柄の公表がありました。日本株、外国株それぞれの上位10位は以下の通りです。

■GPIF 日本株構成比率(New)
No.構成銘柄銘柄コードセクター
1( - )トヨタ自動車7203
自動車
2( - )三菱UFJフィナンシャル・グループ
8306
銀行
3( - )日本電信電話
9432
通信
4( - )本田技研工業
7267
自動車
5(UP↑)三井住友フィナンシャルグループ8316銀行
6(UP↑)ソフトバンクグループ9984通信
7(UP↑)みずほフィナンシャルグループ8411銀行
8(DOWN↓)KDDI9433通信
9(UP↑)ソニー
6758
電気機器
10(UP↑)ファナック
6954
電気機器

日本株はソニーとファナックがTOP10にランクインし、JTとNTTドコモは11位、13位に落ちてしまっています。続いて外国株。

■GPIF 外国株構成比率(New)
No.構成銘柄銘柄コードセクター
1( - )Apple Inc. (アップル)AAPLInformation Technology
2( - )Microsoft Corp (マイクロソフト)MSFTInformation Technology
3(UP↑)Amazon.com Inc (アマゾン)AMZNConsumer Discretionary
4(UP↑)Facebook Inc (フェイスブック)FBInformation Technology
5(DOWN↓)Johnson & Johnson (ジョンソンエンドジョンソン)JNJHealth Care
6(DOWN↓)Exxon Mobil Corp (エクソン・モービル)XOMEnergy
7(UP↑)JPMorgan Chase And Corp (JPモルガン・チェース)JPM
Financial
8(UP↑)Alphabet Inc C GOOGL (グーグル)GOOGInformation Technology
9(UP↑)Wells Fargo Corp (ウェルズ・ファーゴ)
WFC
Financial
10( - )Alphabet Inc A GOOG (グーグル)GOOGLInformation Technology

外国株はJPモルガンとウェルズ・ファーゴがTOP10に仲間入りです。ゼネラル・エレクトリックとネスレは11位、12位に順位を落としました。共に銀行株の比率が増していることがわかります。

全体としては調整の範囲と見て取れる順位入替に思われますので、根本的なGPIFの投資スタンスは変わっていません。

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GPIF 世界最大の機関投資家
小幡 績
東洋経済新報社
2014-07-04