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株式市場には圧倒的な資金を所有することから「市場のクジラ🐳」と呼ばれる機関があります。

クジラの運用資産はケタ違いに大きく、金融市場を大きく動かす力があります。

その代表が、世界最大の年金運用機関であるGPIFと日銀です。

たとえば、日銀はアベノミクスの金融緩和の一環として、日本市場の株をETF経由で買い付ける施策を続けています。

毎年のようにETFの買い入れ枠は増えていき、共産主義の中国でさえ驚くような「極めて歪な」市場が形成されています。

今年の11月末、日銀が買い付けたETF全体の時価総額は45兆1600億円に上り、東証1部に上場する企業の株式のうち、6%余りを保有したことが判明しました。

なお、この額はもうひとつのクジラであるGPIFすらも上回る規模であり、日銀は狂ったように自国の株を爆買いしていることが分かります。

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公的機関がETF経由でここまで自国の株を買いまくるのはハッキリ言って異常です。

年金を株式で運用するのは先進国では比較的見受けられるものですが、日銀のような中央銀行が自国の株式を購入し、下支えするのは世界的に見ても異例中の異例で、他の先進国の中央銀行が金融緩和の目的で株式を買ったことはありません。

日銀は株価が下落する度に自国株を買いまくっており、株価を下支えしています。

日本市場の参加者は大半が外国人投資家になっていますが、彼らは日本株を買っているのではなく「売っている」ため、実質日本株を買っているのは日銀だけということになります。

「日銀があれだけ買っているのに、日本株でPERが割安な銘柄多いのは日本株は魅力的と見られていない」とアナリストに指摘されるほどです。

日銀が買いに向かわなければ、今頃の日経平均は贔屓目に見積もっても19,000円くらいでしょう。

つまり、日銀のETF買いで株価の下落率は他国より下がらないかもしれませんが、上がりもしないマーケットになっているのが今の日本株市場の実体で、仮に日銀が出口政策に向かえば、日本株が大暴落することは免れない。

政策には始まりがあれば必ず終わりがあり、いつまでも日銀が自国の株を買う歪な構図は、いずれ是正されると考えた方が良い。

日銀が出口に向かった場合、日本株を買う投資家はいなくなり、日本株市場は外国人投資家の空売り天国と化すでしょう。

日銀がETF買いすぎて日経銘柄なんて実質国有企業だもんな

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日銀日記 ──五年間のデフレとの闘い
岩田規久男
筑摩書房
2018-10-26