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孫正義率いるソフトバンク(SBG)の今の稼ぎ頭は、携帯電話事業でなくソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)です。

SBGの2020年9月中間連結決算は、最終利益が前年比4.5倍の1兆8832億円でしたが、その収益のほとんどがSVFが保有する株の評価益が寄与した格好です。

そんなSVFが保有する株はユニコーンと言って、世界中の急成長ベンチャーIT企業に投資をしています。

とはいえ、おそよ80社程度あるSVFの投資先には、SBGが日本企業であるにも関わらず日本企業は一社も含まれていないのだ。

日本は世界的に見てもユニコーン企業の数が少なく、あったとしてもフリマアプリのメルカリしかありません。

世界では革新的なITベンチャーが続々と生まれているにも関わらず、フリマアプリで世界を変えられるわけがない。

孫正義氏は「日本の現状は非常にまずい。このままでは忘れられた島国になってしまう」と危機感をあらわにしました。

日本は起業家精神が薄れてしまっており、イノベーションが起きづらい国とも批判しています。

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アメリカでは技術革新が続いていて、中国も巨大化、東南アジアも急成長している中、日本だけが置いてけぼりを食らっています。

バブル期は技術大国日本と世界に胸を張っていましたが、今残っている産業で世界と肩を並べられるのは自動車くらいでしょう。

そもそも、日本人が起業しなくなったのは日本国家自身にあります。

たとえば、昔ライブドアというベンチャー企業があり、経営手腕や目新しさを買われて多額の投資を呼び寄せることに成功しました。

とはいえ、若くて優秀な経営者がシナジーを発揮する目的でテレビ局買収などの斬新なことをやってしまったばっかりに、ライブドアは怨みと嫉妬を買い、国に潰されてしまった。

東芝、日興コーディアル証券、カネボウ、オリンパスなど、過去には様々な大手企業が粉飾決算を行っても上場廃止には至りませんでしたが、ライブドアは世間の反感や嫉妬を買ったばっかりに、国にあっけなく潰され、しまいには経営者が逮捕されるという異例の事態にまで発展してしまったわけです。

ライブドア事件以降、日本では「社長になりたい」「IT企業で革命を起こしたい」という若い学生が激減しました。

新しいことをやると、昔からいる大手企業や権力者に敵視されることにより、企業解体されるばかりか自分が逮捕されるなんてことにもなりかねないためで、これでは日本で新しい企業が生まれないばかりか、世界から新しい投資を呼び込むことも不可能です。

優秀なビジネスを持つベンチャーが誕生しても、日本の場合はライブドアのように何だかよくわからないうちに、気付いたら潰されていることになっているので、投資家から見れば日本のベンチャーに投資するなんてリスクでしかなく、怖くて出来ないわけです。

政府は2023年までにユニコーンを20社育てることを目指していますが、この目標達成は厳しいでしょう。

日本は新しいことをやると潰されるゴミ国家だからな

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孫正義 事業家の精神
井上篤夫
日経BP
2019-12-21