株価指数とは複数の銘柄を組み合わせたパッケージのようなもので、代表指数はその国の経済状況を示すベンチマークでもあります。
たとえば、日本では日経平均やTOPIXが有名ですが、この指数には日本を代表する大型企業で構成されています。
また、アメリカではNYダウやS&P500が有名です。
これらの指数の面白いところは、時代が移り行くに従って、銘柄変更が成されるところです。
NYダウを例に取れば、アメリカの成長を支えてきた「帝国」と呼ばれたGEやエクソンモービルが長年組み込まれていましたが、昨今はIT産業が経済の中心となっていることから両銘柄は外され、代わりにセールスフォースが採用されました。
指数の銘柄を見れば、その時代の旬であり、その国が示す代表企業は何かがわかるわけです。
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さて、そんな代表指数である日経平均とS&P500が直近で銘柄変更を行いました。
まず、S&P500はテスラ株を新規採用すると発表しています。
テスラは40兆円まで時価総額が膨らんでおり、あのトヨタでさえ超えているモンスター企業です。
テスラが注目されているのは、イーロンマスクが単なる「自動車」を作っているのではなく、AIや自動運転などの「ハイテク」に長けた全く新しいイノベーションを吹き込んだことにあります。
主流となりつつあるEVシェアもテスラが圧倒的で、トヨタは足元にも及びません。
テスラは生産数が少なく価格が高いことが唯一の弱点でしたが、量産が可能な大型工場をいくつも建設していることから、弱点は克服されアメリカを代表する次期GAFAの座を射止めるでしょう。
一方、日経平均に採用されたのはあのシャープでした。
NTTドコモがNTTのTOBによって上場廃止され、席がひとつ空いたことでシャープが選抜されたわけです。
シャープは経営危機に陥り、外国企業の鴻海に買収されたので実質的には日本企業ではありません。
しかも、革新的な製品は昨今サッパリ出せておらず、何をもって「日本を代表する企業」なのか理解に苦しみます。
裏を返せば、日本企業には既にシャープレベルの企業しか残っておらず、他のアテもないところまで落ちぶれてしまったということでしょう。
テスラが採用されたアメリカとシャープが採用された日本、どう考えてもアメリカに分があり、まともな頭を持っていれば日経平均を買っていこうとは思えない。
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