大統領選でほぼ勝利が確定しているバイデン氏の政策のひとつにオバマケアがあります。
オバマケアとは、アフォーダブル・ケア・アクトという、アメリカの医療保険制度を改革する法律のニックネームです。
この法律には国民から賛否両論がありましたが、2010年に議会を通過し民主党だったオバマ大統領が署名しました。
この法律が出来ることは、誰でも保険に気軽に入れるようにすることです。
アメリカでは無保険者が5000万人もいると言われています。
所得が低くて医療保険に加入できないという人も多いのですが、持病を抱えていることで加入を断わられることもありました。
また、医療費が巨額になったために加入している保険プランから追い出されたりもするし、保険金の支払に勝手に制限をかけることも保険会社の自由でした。
オバマケアはこうした保険会社の習慣にもメスを入れ、誰でも気軽に保険に入れるように促す法案でもあります。
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一方で、共和党はオバマケアを廃止しようと躍起でした。
トランプ大統領は公約にもオバマケアの廃止を掲げ、オバマケアの代案を提出するなどの活動をしていました。
しかしながら、今回オバマ元大統領の意思を継ぐバイデン氏が大統領になったことで、本格的にオバマケアの拡充に取り組む方針を表明しました。
来年1月に控える大統領就任後すぐに、議会と協議を始めるとのこと。
オバマケアが導入されて困るのは、ユナイテッドヘルスのような保険会社です。
同社は医療保険とヘルスケア製品を手掛ける総売上アメリカ5位の巨大企業で、1億人以上の顧客を抱えています。
今現在は国民皆保険がないことから、貧困層を除き米国人は必ず民間保険に入ります。
たとえ病気を患い入院・手術なんてことになれば、短期間でも数千万円という多額の費用を請求されることも当たり前だからです。
そのため、アメリカではユナイテッドヘルスのような保険会社は安定的に莫大な利益を上げることが可能でした。
しかしながら、加入の条件などを保険会社の一存で決めることが出来なくなれば、保険会社の収益悪化に直結し、今までのような利益を上げることは難しくなります。
バイデン氏のような民主党候補者が大統領のうちは、ヘルスケア株はしばらく受難の時となる可能性が高い。
ユナイテッドヘルスは最高値付近だけど今後どうなるか
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