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貸し株は真面目に「投資家を瀕死に陥れる」かもしれない 

貸株制度とは、証券会社に自身の保有する株を預ける代わりに、金利がもらえるサービスです。

貸株中であっても証券会社の独自システムにより、配当や優待は今まで通りもらうことができます。

短期売買をせず中長期ホールドしている銘柄を有効活用する手段として個人投資家の間では注目されている制度です。

昨今では貸株制度を開始する証券会社も増え、銘柄によっては10パーセントを超える金利の銘柄も出てきており、なかなかの過熱状態になっています。貸株金利は大多数の銘柄では0.1パーセントとなっています。

たとえば、300円で100株保有する銘柄を証券会社Aに預けているとします。

「貸株数量×当該銘柄の時価×貸株料率÷365」

が一日の金利になるので、この条件下では一日0.08円、一ヵ月2.4円が金利収入となります。もらえないお金がもらえるのだから、投資家としては嬉しい制度と言えるでしょう。

しかし、結論から言うと、貸株は非常に危ない制度なのでオススメしません。

なぜなら、最も大きいデメリットは株を貸した証券会社が破綻した場合、

『持ち株の保証が一切されないこと』

になるからです。

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通常、投資家の保有株は証券会社の資産とは別に管理されているため、仮に証券会社が破綻しても投資家の資産は守られるよう金融商品取引法で決まっています。

しかし、株を貸すという行為は保有名義が証券会社に移ってしまい別管理されなくなりますので、投資家を守る金融商品取引法は適用されなくなるのです。

とすると、これは非常に危険な行為だと言わざるを得ません。

たかが月2.4円を得るために30,000円も出して買った株の運命を、証券会社Aに委ねるのです。

変な話、1億円分の株資産を持っていたとしてすべて証券会社Aに預けて、万が一その証券会社Aが倒産してみたら資産がすべてパーになるということです。

複数の株を買って分散投資していたつもりでも、貸株してたおかげで全て紙切れ水の泡になってしまうのです。

しかも、保有してた銘柄の企業は「どこも倒産していない」にも関わらず、です。

自身が利用する証券会社を信用しているならともかく、山一證券やリーマン・ブラザーズといった巨大機関投資会社だって突然破綻してしまう現実があるので、貸株制度は投資リスクの許容レベルを超えている判断できます。

なぜ、証券会社は貸株することにより金利をプレゼントしてあげるのでしょうか?

それは貸してもらった株を、個人投資家や機関投資家に更に高い金利で貸し出すことで「リスク0」で儲けることができるためです。

そして、証券会社が貸りた株は例外なくほぼ「空売り」で利用されます。

機関投資家は特に顕著で、株を売りに売りまくって優良企業の株価をわざと押し下げています。押し下げることで個人投資家は耐え切れずに株を投げ売り、さらに株価下落のスパイラルが加速します。下げ切ったところで機関投資家は売りまくった株を大量に買い戻すのです。

そして、株価上昇に転換したところで売却し、またしても多額の利益を得るのです。損するのはいつも個人投資家ということです。

空売りばかりする機関投資家を、個人投資家はいつもの如く批判しますが、貸株するということは知らず知らず
そのような行為に「加担」していることにもなりますので、目先の利益にとらわれずに

「急がば回れ」

で堅実に資産を育てるほうが良いのです。

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