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東電は2020年以降に爆上げします。


2017年夏。冬に発表されたダイヤモンド・ザイによる日経平均採用銘柄で最も割高・割安な銘柄割安株1位は、前回に引き続き『[9501]東京電力ホールディングス』となりました。

今期業績予想は7%増収と、売上高5兆円規模の巨大企業としては大幅なアップを見込んでおり、しかも最終利益は2.2倍にも増加するとしています。

日経割安
(出典:ザイ・オンライン)

■そもそも東電が爆下げとなった背景
東電は2011年3月11日に発生した東日本大震災の煽りを受け、福島第一原子力発電所事故を引き起こしました。
1986年4月26日に発生したチェルノブイリ原子力発電所事故以来の最悪の事故と世界から評され、一気に倒産の危機に陥ってしまったのです。
事故直後より同社の株価はストップ安の連続、事故前は2,000円以上を付けていた株価は128円まで下落してしまいました。

ディフェンシブ株の王様として君臨していた同社は個人投資家や機関投資家に大人気であり、預金代わりに東電株を持っている人も大勢いました。
中には長年給料の大半を東電株一本に投資し、アーリーリタイア後に悠々自適の配当生活を送っていた人もいました。

天空の蜂 新装版
東野 圭吾
講談社
2015-06-24


当時は国を挙げて原発を推進しており、政府は原発が「絶対に安全」と説明していたため事故が発生することなど誰もが夢にも思わなかったのです。
映画にもなった東野圭吾作『天空の蜂』の大ヒット小説がありますが、当時の原発神話がよくわかる作品になっています。
「事実は小説よりも奇なり」とは良く言いますが、想像できないことが起こり得るのが、我々の生きている現実世界だということをこの事故を通じて改めて認識させてくれます。

そのため、投資家としては分散投資はやはり基本中の基本であり、
超大型優良銘柄に分散投資することが確実且つ堅実に資産を増やせる投資法に成り得るのです。


■今後の東電
さて、電力会社各社の状況ですが東電を含めてかなりの業績回復をしています。
賛否両論はありますが原発が再稼働する機会が多くなり、各電力会社の収益を押し上げています。
政府としては原発を推進していく立場をとっていることから、今後大きな事故でも起こさない限りは電力株は回復基調を続けていくことでしょう。

尚、東電は事故を起こした当事者であるため原発再稼働にはあと数年の歳月を要すると想定されます。
しかしながら、昨今の原油安に助けられ業績は急回復しており、2017年1Q時点の自己資本比率は驚きの19.1%まで回復しています。

同社の予想では、さらに2020年度には22%台まで回復すると見られています。
事故後の自己資本比率が3.5%まで急落したことを鑑みると、驚異的な復活劇と言えるでしょう。

東電

そんな東電の株価ですが、震災直後から依然低迷しているのがわかります。
廃炉費用や賠償問題、無配継続が投資家心理を悪化させているのです。

ただし、今後同社の株価を押し上げる材料が目白押しであることから今のうちに買っておくのがベストな銘柄と考えています。

(1)原発処理事故費用
実は、東電側に事故処理費用の返済義務はありません。

法律には「原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる」とありますが、想定外の天変地異での事故ではこれを除くとしています。
また、一つの原発で1,200億以上の事故費用を超過する場合は国が費用捻出の義務を負うとなっています。

2014年には原子力損害賠償・廃炉等支援機構法が成立し、その費用は全て原子力損害賠償支援機構(実態は国)が捻出しているのです。
これは東電が決めたことではなく、国の最重要インフラである電力を守るために「国」が決めたことです。

(2)賠償問題
避難指示区域の住民や事業者に一律で支払ってきた多額の賠償金を2018年分で打ち切ることが決定しています。

事故から既に6年も経過し、その間、避難者一家族ごとに何千万もの多額の資金を賠償し続けてきました。東電も避難者も、未来へ進むときが来ていると解釈することができます。

(3)復配
東電は2020年台に復配を計画しています。
復配が発表されれば、株価は一気に4桁を超えることになります。

これは公式にアナウンスされており、同社の「新・総合特別事業計画」にも示されています。
2020年代初頭における原子力損害賠償・廃炉等支援機構による経営評価にて経営状況の進展が評価された場合に、配当の復活または自己株式消却の開始による株主還元を計画しているのです。
投資家向けのコメントとしてはダメ押しでこんなことも言っています。

『今後、徹底的な経営合理化や戦略的な事業展開により収益を確保し、再び配当を実施できるよう全力で取り組んでまいります。』

■まとめ
以上のことから、歴史上類を見ない安値で推移する[9501]東京電力ホールディングスをこの時期に買い増しすることはギャンブルでもなんでもなく、将来の株価上昇および配当復活を見据えた堅実な投資銘柄として捉えることができます。

事故後も日経平均構成銘柄から入れ替え対象に入らなかった背景を鑑みても、同社が担う使命は重大であり、

最強のディフェンシブ株であり続ける

ことに変更はありません。

今後も、下値を拾っていくことは将来の資産形成へのエンジンとなり得るのです。

■(おまけ)電力会社が最強インフラである理由を大規模停電から考える
http://choco0202.work/archives/3335335.html



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東京電力・帝国の暗黒
恩田 勝亘
七つ森書館
2007-10