リーマン倒産
100年に一度の金融危機は、生きているうちに再来するか? 

2008年9月15日のリーマン・ショックから、丸10年が経過しました。

そもそもリーマン・ショックが発生したきっかけは、名門投資銀行であるメリルリンチとリーマン・ブラザーズが、大量のサブプライム住宅ローンを購入していたことでした。

サブプライム住宅ローンとは、優良客であるプライム層よりも下位の層である低所得者向けローンを指します。当時は低所得者でも返済出来ると計算されていたのですが、結果的に回収不能に陥り不良債権と化したのです。

破綻したメリルリンチはアメリカの大手銀行であるバンク・オブ・アメリカに吸収されましたが、一方でリーマン・ブラザーズは倒産してしまいました。

リーマン・ブラザーズの倒産は、当時のアメリカ史上最大の倒産となっており、この記録は今も破られていません。

実際に、アメリカ最大手の投資銀行が2つも同時に消滅したことで、残りの名門投資銀行であるモルガン・スタンレーとゴールドマン・サックスが同じように、倒産の危機に陥る可能性が指摘されていました。

なぜなら、どの銀行もサブプライム住宅ローンを大量に購入していたからで、モルガン・スタンレーやゴールドマン・サックスの株は売られまくりました。

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保険業も例外ではありませんでした。

たとえば、世界最大の保険会社であるAIGも倒産の危機に陥り、株価は当時の高値から実に95パーセント以上も暴落しました。

そもそも、AIGは保険界のボスともいうべき企業で、世界のほとんどの国に支店があります。もし、AIGが破綻などということになれば、そこで扱っている何百万という顧客が大打撃を受けかねません。
 
そんな会社が、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)といった、投機的な性格も併せ持つ金融商品で無茶な博打を打ったために、倒産の危機に晒されたのです。

ところが、ここでFRBが介入し、AIGの救済に850億ドルを投入したのです。

これは当初の金額であり、最終的な救済資金はこの後も膨れ上がり続けることになります。AIGを救済することは金融業界には予想外の出来事で、状況悪化の懸念が膨れ上がりました。

政府が「救済と破綻放置」という2つの選択肢の間を行ったり来たりするせいで、市場情勢はよくなるどころか、いっそう悪化してしまったのです。

結果的に、破綻が噂されたゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーは投資銀行から通常の銀行持ち株会社に移行することによって、危機を乗り越えることになります。

どうして通常の銀行となったことが破綻回避に繋がったのかと言えば、通常の銀行業であればFRBの監督下となるため、FRBから資金を金利ゼロで借りることが可能だったからです。

さらに、ゴールドマン・サックスに至っては投資の神様ウォーレン・バフェットに50億ドルという命綱まで投げてもらうことに成功したのです。

この時点で、1800年代以降のアメリカの歴史の中で重要な役割を果たしてきた5大投資銀行が、半年足らずの間で全て消滅し、その歴史に幕を下ろしました。

さて、国家危機レベルのリーマン・ショックを経験したアメリカですが、NYダウのチャート眺めると「資本主義の崩壊」と言われながらもわずか1〜2年で株価は回復していることに気が付きます。

この事実こそがアメリカの強さであり、本物の資本主義の強さであると言えます。

SNSを眺めると、

「暴落ガー、暴落ガー」

「リーマン・ショックガー」

などと、やけに当時を引き合いに出して、不安を煽るアカウントが多いですが、100年に一度というほどの大暴落は、生きているうちにお目にかかることは無い可能性の方が高いでしょう。

仮にたとえこの先、10年前と同じように未曾有の金融危機が株式市場を襲おうとも、投資家は長期目線で優良株をジッとホールドしていればいいということが、歴史の答えとして見えてきます。

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