DC0B1110-1F33-41E8-B8CD-F48F72D0FF34

NYダウは100年以上も前から創設された指数で、米国を代表する企業30社の平均株価を現した伝統ある指数ですが、コロナによって如実に「オワコン化」が加速していました。

というのも、コロナ禍で株価は乱高下を繰り返しているわけですが、NYダウ、S&P500、NASQADを眺めるとNYダウが最も下落幅が大きく、上昇幅が低い。

一方、NASDAQはコロナ暴落をとうに乗り越え、今では過去最高値を更新し続けています。

この違いは「構成銘柄のハイテク有無」です。

コロナによって巣篭もりやテレワークが加速したことから、アフターコロナではITが何よりも重要なインフラツールになることは明白で、だからこそNASDAQはハイテク中心の構成であることが株価が上がり続けている要因です。

対して、NYダウは構成のほとんどがレガシーで、今をときめくGAFAMですらAppleとMicrosoftしか入っていません。

Appleが4分の1の株式分割を発表したことにより、AppleがNYダウに与える影響もさらに低下することから、NYダウはゴミ以下のオワコン指数となり果てることがほぼ確実視されていたわけです。

SPONSORED LINK


AD28CFB6-B5F6-4978-B49A-4C65719A08BA

とはいえ、そこは200年近く右肩上がりで上昇を続けていたNYダウは無策でいるわけではありませんでした。

S&P DJIは突如として、NYダウの構成銘柄変更を発表しました。

しかも、100年に渡り構成銘柄として採用されていたオイルメジャーのエクソンモービルに代わりSaaSのセールスフォース、医薬品のファイザーに代わりアムジェン、レイセオンに代わりハネウェルを採用しました。

特筆すべきはエクソンモービルがセールスフォースに置き換わったことで、より世界経済が石油からIT中心にスイッチしたことを物語る事例でしょう。

株価を見ても一目瞭然で、エクソンモービルはコロナショック以前から右肩下がりで下落し、この1年で2分の1の価値になってしまいました。

一方、セールスフォースはコロナショックをものともせず、この1年で株価は2倍近くまで上昇しています。

時代は変わり、エネルギーはオワコン、これからはクラウドと言うわけです。

セールスフォースが加わることによって、NYダウのハイテク比率が上昇するばかりでなく、Appleの分割の影響も最小限に留められることが期待され、NYダウは息を吹き返したと言えよう。

こんな攻めの一手を打てるNYダウだからこそ、常に右肩上がりで上昇しているわけである。

帝国エクソン除外とか日経平均で言えばトヨタを除外するようなもんだな

SPONSORED LINK


 
トレイルブレイザー―企業が本気で社会を変える10の思考
モニカ・ラングレー
東洋経済新報社
2020-07-22