コロナによって米大手銀のウェルズファーゴが2008年以来初の赤字決算に陥り、減配の発表で株価が急落したことも記憶に新しいですが、日本の銀行も対岸の火事ではないようです。
三菱UFJFG、三井住友FG、みずほFGとメガバンクが相次いで決算を発表しましたが、軒並み数字は悪く3社合計で49%減の大幅減益で着地しました。
純利益が悪かった順で言えば三井住友が前年比60%減の860億円、三菱UFJは53%減の1834億円、みずほは25%減の1223億円でした。
コロナの影響で企業からの融資相談が増えたことで、与信コストが大幅に増加したことが利益を圧迫したことが要因のひとつですが、本来融資が増えると銀行にとってはプラスの材料になり得ます。
しかし、銀行にとってコロナ禍の融資増加はコストだけかかって全く嬉しいものではない。
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というのも、緊急事態宣言で企業活動を停止せざるを得ないことから、政府は民間銀行に対して無利子・無担保の制度融資を行うよう指示しているためです。
銀行にとっての利益の源泉である「利子」が全く見込めないにも関わらず、貸し付けまでのコストが垂れ流される状態が今もこれからも続いているわけで、もはやこれはボランティアに近い。
ウェルズファーゴのように赤字転落にはならなかったものの、コロナが収束しなければ赤字は待ったなしでしょう。
そもそも、メガバンクは高配当ということで個人投資家から人気ですが、今後にかけて増資や減配される可能性がすこぶる高いので注意が必要でしょう。
というのも、メガバンクは経営が窮地に陥ると、すぐにこの手を使って株主責任を取らせる「前科」があり、株主フレンドリーではありません。
たとえば、リーマンショック直後の2009年と2010年、みずほFGは2度の大幅増資による株主利益の希薄化に加え、減配も合わせて発表し、みずほ株は暴落しました。
一方、アベノミクスで利益が伸びてもメガバンクはほとんど増配を行わず、キャッシュを溜め込むばかりでした。
株価はアベノミクスでも高値から2分の1にまで下落していますが、リーマンショックの時のように増資と減配が発表されればさらに深堀りするでしょう。
銀行が稼げる材料が無さすぎて本格的にオワコンだな…
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