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定額サービス、いわゆるサブスクリプション業界では明確に勝者が決まりつつあります。

音楽サブスクではApple MusicやSpotifyをはじめ、LINE MUSIC、Rec Music、Amazon Music Unlimited、YouTube MusicなどGAFAMがこぞって乗り出していますが、圧倒的シェアを誇るのはスウェーデン発のSpotifyでした。

昨年の世界音楽サブスク市場ではSpotifyが36%で堂々の1位、Appleが19%で2位、Amazonが15%で3位という結果でした。

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Spotifyは2006年の創業からわずか1年半で、欧州全体で800万人以上の顧客を獲得。2011年にはアメリカに進出し、現在では世界各国でサービスを展開しています。日本では2016年にサービスを開始しました。

現在では、全世界で同サービスを利用するユーザーは1億4,000万人を超えており、うち月額10ドルを支払う有料会員数は6,000万人を超えたことを発表しています。

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Spotifyは2017年後半にNYSEへのIPOを行いましたが、その手法が話題となりました。

たとえば、通常のIPOは上場する企業が新たに株式発行することで投資家からマーケットを通じ資金を調達します。

また、証券会社が幹事を行い、上場申請書類の作成指導、内部管理体制の整備指導、資本政策の立案、募集及び売出しによる株式の引受、公開価格の決定、取引所等の上場審査への対応などを行います。

証券会社は大型のIPO案件を手がけることにより、多額の手数料を得ることが可能となります。

しかし、Spotifyが実行したIPOは新規株式を発行することはなく「既存の株主から」マーケットを通じ株式を買い付ける直接上場を選んだのです。

株式を新規発行すれば多額の資金を調達することができますが、企業にとってそれは借金を増やすようなものです。

成長企業にとっては借金は事業加速のエンジンとなりますので、必ずしも借金が悪いわけではありませんが、Spotifyは当時既に20億ドルを超える売上高を計上していました。

そのため、Spotifは借金をすることなく、上場することで得られるネームバリューの獲得や、財務健全性や透明性を訴求できるメリットを重視したというわけ。

また、同社はレコード会社へ支払う多額のライセンス料が最大の支出となっていますが、上場することにより更なるユーザ数獲得が見込めることで、レコード会社とのライセンス料交渉も有利になりました。

また、上場に際し引き受け証券会社を選ぶ必要性がないため、IPOにおける初期費用削減にも繋がりました。

Spotifyの戦略は見事に大当たりし、今ではGAFAMを抜き去って頂点に君臨するサブスクサービスにまで成長した。

チョコはAmazonミュージックを利用してます!

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Spotify 新しいコンテンツ王国の誕生
ヨーナス・レイヨンフーフブッド
ダイヤモンド社
2020-06-18