IBMが発表した第1四半期決算を眺めると、売上高は前年比3.4%減の176億ドル、純利益は12億ドル、EPSは1.84ドルでした。
ほぼほぼアナリスト予想通りでしたが、成長性は見込めないパッとしない数字だったことで翌日の相場では前日比3%以上も株価下落となりました。
IBMは新型コロナウイルスによる影響で、2020年通期見通しを撤回しています。
IBMは他のIT企業と比較して、コンサルティングやシステムインテグレーションに頼っている部分が大きいので、プラットフォーマーであるGAFAMと比べると不景気になった場合に脆弱になりがちです。
というのも、コンサルティングやシステムインテグレーションは発注する企業からすれば「贅沢出費」にあたるので、コロナで売上激減となった企業は新規プロジェクトを完全にストップし、インフラ機能などの最低限の維持に備えるためです。
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IBMは本格的な業績不振に陥る前に、全米で大規模な人員削減を発表しており、その数は数千人に及びます。
今までの貢献度や年齢などは考慮されず、利益にならないと判断された部署丸ごとリストラされており、既に多くの社員が職を失っています。
一方で、IBMは配当支払いは継続することを発表しており、株主利益はどんな状況下でも死守しようという気概が見て取れます。
賛否両論はあるものの、この姿勢こそ米国企業が素晴らしいとされる文化であり、アメリカは「会社は誰のものか?」という資本主義の大原則を徹底しているからこそ、世界中の投資家から支持される理由でもあります。
たとえば、日本も資本主義社会ではあるものの、会社は誰のものか?と考えた場合に多くの人は「社員のもの」と考えるでしょう。
経営者も同じで、社員の雇用を守ることが正義と勘違いしていますが、本来会社というのは株主のもので、これは法律でもきちんと明記されています。
しかし、この勘違いが既に日本文化のようになってしまっているが故に、コロナのような危機が起きた場合には決まって社員は守り、株主への配当は減配が無配にする措置が取られます。
トヨタ自動車でさえリーマンショックでは配当を半減させることを発表し株主の大反発を受けましたが、アメリカ企業は社員をリストラする一方で配当は増配する企業で溢れました。
非常時にこそ人間の本性が現れるとは良く言いますが、日本企業に投資すると10年のサイクルで痛い目を見るのは明らかで、長期投資には不向きです。
ディズニーも社員の給与停止する傍で配当は継続するって発表してたわ
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