過去最大の上昇を記録
13日のNY市場は引けにかけて急上昇し、1,985ドル高の歴史的上昇で取引を終えました。
背景にはトランプ大統領が会見を行い、広がりを見せる新型コロナウイルスの猛威に国家非常事態を宣言、経済政策などに力を入れることを改めて表明したことが市場の好感に繋がりました。
上げ幅が高かったのはまずハイテク株で、Appleが+12%、Microsoftが+14%、CiscoSystemsが+13%、Intelが+19%。また金融株も政策によって救済されるとの見方から、J.P. Morganが+18%、Wells Fargoが+13%、Bank of Americaが+17%と市場を牽引しました。
なお、歴史的な上昇を記録した一方でマイナス引けした残念セクターは原油です。
Exxon MobilやRoyal Dutch Shellは-1%と、オイルメジャーは軒並みパフォーマンスが悪く、投資家から嫌気されていることが見て取れます。
なぜ、原油銘柄はここまで売られるのか?不人気の理由はどこにあるのでしょう。
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それは原油価格の暴落が止まらないためです。
WTI原油先物は数年前まで1バレル100ドルを超えていましたが、今は30ドルを割り込む水準まで値を下げており、オイルメジャーにとっては大きな打撃となります。
まず、シェール革命ではアメリカが石油生産をガンガン行ったことで、世界の石油が過剰在庫となり、需要と供給のバランスが崩れました。
中東の産油国ではOPECの中で石油の供給をコントロールしていたわけですが、アメリカはOPECには加盟していないため、中東の事情などお構いなしに生産し続けたことが、そもそもの原油暴落の引き金となりました。
さらには新型コロナウイルスで世界経済が低迷すると、原油消費量が減るのでますます原油安に拍車がかかりました。
特に大量の原油を消費する中国経済に甚大な被害が生じたことで、原油は供給過多となるとの見方が広がったわけです。
そこに追い打ちをかけるようにOPECで最大の産油国であるサウジアラビアが無謀とも言える行動に出たことで、原油の歴史的大暴落を引き起こしたのです。
サウジアラビアは大幅値下げと生産量を2割増やすことを表明し、OPECの減産協調と真逆を突き進む道を選びました。
この背景には、ロシアが減産協調を拒否したことで2017年から続いた協調協調が今年3月末で終了することになってしまい、各国は自由に生産を行えるようになります。
つまり、Exxon MobilやRoyal Dutch Shellなどのオイルメジャーは新型コロナウイルス問題が解決したとしても"原油安が止まらない"という大きな問題が片付いていないため、投資家から嫌気されているわけです。
オイルセクターに春が来るのは当分先です。
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