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半年ぶりの105円台を付けたドル円

新型コロナウイルスの影響で安全通貨と言われている円が買われ、ドル円は105円台まで急伸しました。

世の中にはこのような「有事の円買い」という言葉があって、金融危機、戦争、天変地異、などの地政学リスクがある場合は円高になる現象を指します。

たとえば、東日本大震災や北朝鮮ミサイル発射の時など、日本に深刻な影響を及ぼすリスクが発生しても、なぜか円が買われます。

円高になるカラクリは、日本は高度成長期に貯めに貯めた「資産」がある世界一の債権国の顔も持っているためです。

政府や日本企業、そして個人が持つ海外資産は330兆円に上っており、ドイツや中国を抑えて堂々の1位を27年間連続でキープする格好になっています。

さらに、家計に占める個人資産は国全体で2,000兆円弱もあり、国の借金1,000兆円を差し引いても、十分なおつりが来る計算となる。

つまり、世界不安が起こったとしても、日本には耐えられるだけの「体力」が十分に備わっているために、円の価値が急激に落ちるとは考えられておらず、安全資産の円とみなされているわけです。

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円の価値が下がれば、ドルの価値が上がる

しかしながら、日本政府に円高を牽制する術は無く、アナリストからはドル円は年内に100円を切るとの憶測も出始めています。

なぜ牽制の術が無いのか?と言えば、日本はこの10年でマイナス金利といった先進国でも類を見ない大胆な通貨安政策を行って来ました。

円価格は民主党時代の80円から120円まで切り下がり、輸出中心の日本企業は水を得た魚のように大復活を遂げたわけです。

日本はこの好景気でマイナス金利を継続してしまったがために、利下げする体力が全く残されていないのでもはや積んでいる状態というわけ。

世界の通貨安戦争で日本だけが対抗出来ず、円高が進みます。

とはいえ、円が強いのは「今は」日本が世界的に見て経済的に裕福で安定しているからであって、将来的には少子化、労働者不足などの致命的な問題が噴出して国家基盤が揺るぎかねない爆弾を抱えています。

その時、円は間違い無く主要通貨の中で「最弱通貨」となり、円安は進むでしょう。

円安が進めば、日本人の資産は対外的に減少することを意味するため、つまりは日本国民が貧乏になることを意味します。

そのため、今日本の投資家が出来る対策は、今の円高を利用してドル資産を目一杯買っておくことです。

円だけを保有するって実はめちゃくちゃ怖いこと!

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