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マクドナルドをV字回復に導いたサラ・カサノバ

日本マクドナルドは2020年12月期営業利益が、前年比4%増の290億円と9年ぶりの最高益となることを発表しました。

期末配当も3円増配し、投資家への還元も強化するとのこと。

とはいえ、2016年の日本マクドナルドは親会社である米マクドナルドから保有株式33%(約1,000億円)を売却するとの通告を受けていました。

この頃の日本マクドナルドは300億円に及ぶ赤字を垂れ流していたことで、米マクドナルドから見切りを付けられていたのです。

日本マクドナルドが苦境に陥ったきっかけは、原田泳幸がCEOに就任してからのことです。

原田氏はもともとAppleで副社長を務めており、「プロ経営者」と呼ばれていました。

当時、米マクドナルドからヘッドハンティングがあり、日本マクドナルド社長に転身することになったのです。

「マックからマックへ」と報道されるなど、原田氏の手腕に世間の注目は集まりました。

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マクドナルドの株価は水を得た魚のように急上昇

原田氏は就任当初から構造改革を推進し、今まで日本マクドナルドに貢献してきた幹部たちを次々とクビにしていきました。

彼らの多くは藤田元社長時代からの生え抜き社員であり、日本マクドナルドの成長期を支えた人物たちでした。現場にも精通しており、FCオーナーからの信頼も厚かったと言われる幹部をクビにしたことで、日本マクドナルドの経営陣には現場を知る人材がほとんどいなくなってしまったのです。

また、待ち時間の短縮として銘打ったレジカウンターのメニュー表の撤廃も消費者の非難を浴びました。「不便すぎる!」という意見が多かったにも関わらず、原田氏は消費者の意見を徹底的に無視しました。

その後、異物混入事件などの不祥事も相次ぎ、日本マクドナルドは本格的な消費者離れを引き起こしました。今まで黒字で好業績だった日本マクドナルドは一転、年間300億円に及ぶ赤字を垂れ流す結果に至ったのです。

そんなどん底にあった日本マクドナルドは、なぜV字回復できたのか?

それは、社長に新しく就任したサラ・カサノバの存在です。彼女は2015年の過去45年で最悪な300億円の赤字から、わずか2年後の2017年には大幅黒字を達成するまでに会社を立て直したのです。

カサノバ氏は、日本マクドナルドから失われていた徹底した現場主義に回帰しました。

日本47都道府県の店舗を社長自ら周り、客に話しかけて生の声を拾い、その声から現場で改善を推進、よりよい店舗作りに注力します。そして、8年ぶりのレギュラーメニューで大ヒットした新商品グランシリーズなど、次々とヒット商品を生み出すことに成功した。

さらにカサノバ氏は、現場主義に回帰する中で「本当の現場主義」を実践しました。それは、大赤字に喘いでいた中、なんと社員の給料をあえてアップさせて、現場のモチベーションを回復させることを決断したことです。

カサノバ氏は「マクドナルドのビジネスは人によって支えられている」「私たちが成功するためには、まず社員が満足しなければならない」として、彼女は「ビジネスは人と人の繋がり」であることを大事にし、離れていた客を呼び戻すことに成功したのです。

考えてみれば、今や世界最大の企業として成長したAmazonの経営ポリシーだって「地球上でもっともお客様を大切にする」で、顧客ファーストが重要なのは、何もマクドナルドだけではなく、どんなビジネスモデルにも共通する普遍的なものです。

現場主義にこだわったカサノバ氏、現場主義を軽視した原田氏、どちらの経営方針が正しいかは、数字を見れば一目瞭然でしょう。

原田氏によって「無能の烙印」を押された「現場主義」の元幹部たちは、バーガーキング社長、モスバーガー会長、フレッシュネスバーガー社長、 コメダ社長、すき家社長に就任し、今やマクドナルド時代以上の大出世を遂げています。

原田氏はベネッセでも業績悪化に導いてたよな

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