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製薬会社は常に訴訟が付きまとう高リスク銘柄 

米医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)が、裁判所より法的責任を追求され、600億円の賠償を命じられています。

今回の裁判はオピオイド系鎮痛剤を巡る最初の司法判断であり、州などがオピオイドを製造・販売する大手製薬会社などに対して数千に上る訴訟を起こしています。

そもそも、オピオイド系鎮痛剤とは強烈な痛みに効く医療用麻薬で、ヘロインの従兄弟と言われるほどの劇薬です。

本来、適切に患者に投与すればなんら問題ないのですが、その依存性からアメリカで最も乱用される薬と不名誉な称号を与えられる薬となった。

とはいえ、問題なのはその売り出し文句で、依存症が少ないとのうたい文句で1990年代に売り出されたのがオピオイド系鎮痛薬で、大ヒットを記録したものの、中毒になってしまった患者が多いと訴訟に発展しているのである。

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製薬会社がまるっと買えるETF商品も登場している 

とはいえ、これらの薬は先述の通り、適切に患者に処方さえすれば、激痛に苦しむ患者を救う奇跡の薬となり得ます。

そもそも、薬というのは「毒をもって毒を制す」というものです。

どんな安全な薬にも当然副作用があり、患者はそれを承知の上で服用し、医師は適切なコントロールをする義務がある。

包丁を安全に使えば、人々を感動させるような料理が生み出されるが、人を傷付ける凶器にもなるように、どんなモノでも使い方を誤れば、悲劇を生み出すのだ。

さらに言えば、薬の副作用を全て解明することはメーカーにとっても不可能です。

たとえば、今年の冬にはインフルエンザの新薬としてゾフルーザが発売されたことが話題でしたが、この薬を服用すると耐性ウイルス発生することが後に判明し、容易に投与出来ない薬になってしまいました。

今後開発される新薬にも、数年後、数十年後経って始めて分かる副作用というのがごまんとあるのが医療の世界であり、JNJなどの株を買う場合は訴訟に関する株価急落を受け入れるリスクが常に付きまとう。

業績は好調なのに、様々な訴訟によって頻繁に株価暴落を繰り返すJNJですが、この先訴訟進展のニュースが出る度に同じ暴落の憂き目に遭う可能性は高い。

リスク分散の意味でも、ヘルスケアセクターの株が欲しいのであれば、製薬会社がまるっとパッケージングされたヘルスケアETFを買うのが賢明でしょう。

あえて個別株を買う意味がマジでなくなってるね

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ヘルスケア産業のデジタル経営革命
ジェフ・エルトン
日経BP
2017-10-24