アッヴィは高配当で個人投資家に大人気となっている米製薬会社大手です。
もともとはよくある製薬会社のひとつに過ぎませんでしたが、世界売り上げNo.1の医薬品である関節リウマチなどに効果があるヒュミラを開発したことにより、この薬単体で年間3兆円近い売上高を叩き出し、巨大企業に成長を遂げました。
世界売り上げ2位の薬がランタス、エンブレルと1兆円程度であることを考えれば、ヒュミラがいかに莫大な利益を上げるドル箱と化しているかが分かるでしょう。
しかし、アッヴィは利益をもたらすヒュミラが時限爆弾ともなっていて、その爆発時期は2023年にまで迫っています。
その理由は特許切れの「崖」です。
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「発明を保護する権利」である特許権は、独占を防ぐために20年の有効期限が設けられています。
2002年にFDAの承認を受け、画期的なリウマチ治療薬として世界に販売を広げたヒュミラは、ちょうど2022年に特許切れとなり、後発品(ジェネリック)の発売が2023年に決まっているのだ。
つまり、ヒュミラ1本に頼りきっていたアッヴィは、数年後にヒュミラの売上激減で莫大な収益源を失う。
アッヴィはこの事態を重くみており、アイルランド製薬会社のアラガンを6兆7,000億円で買収すると発表しました。
アラガンは2018年に4,000億円近い売り上げを記録した販売したシワ取り薬「ボトックス」を主力とする美容医療に強みを持っており、今後も成長が見込める会社だと評価されています。
しかし、やけに高いプレミアを支払うことで財政圧迫が憂慮されたアッヴィは、発表翌日には-16%以上の大暴落となり、ただでさえ下落の一途で含み損に喘ぐ株主の損失を拡大させた。
バロンズでは「アッヴィのM&Aは愚策」と痛烈な批判を寄稿しており、理由として医薬品大手は大型M&Aによって問題解決を図ろうとするが、結果はどれも芳しくないことを指摘しています。
アッヴィもそうだったが、ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(BMY)、武田薬品工業(4502)などが行った大型買収はいずれもプレミアを支払う形になり、株価は大暴落した。
医薬品業界は大手企業による大型M&Aがさらに加速すると予測されており、その度に株価は暴落する可能性を潜んでいます。
医薬品株が欲しいのであれば、リスク分散して市場成長に投資出来るヘルスケアETFが最適解になることは紛れもない事実だ。
コロナでも思ったけど製薬業界自体が成長していくことは確実なのでETFがベストかな
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