
好業績を支えるAdobe Creative Cloud
アドビシステムズ(ADBE)の株価上昇が止まりません。
世間ではGAFAの株価上昇ばかりが注目されがちですが、株価上昇率で言えば実はアドビの方がよっぽど高パフォーマンスを叩き出しています。
同社は先日発表した第2四半期決算は、売上高は前年比25%増の27億4,000万ドル、純利益は6億3,260万ドル、1株利益(EPS)は1.83ドルと、アナリスト予想を上回り、株価は史上最高値を更新したばかりです。
好決算を支える要因となっているのが「クリエイティブ・クラウド」と呼ばれるサブスクリプション型のデジタル・メディアサービスであり、定期的に安定した収入を得ることが成長エンジンに繋がりました。
これは、マイクロソフト(MSFT)が売り切り型モデルからサブスクリプションに転換したことで、水を得た魚のように業績が急回復し、世界時価総額1位の座に返り咲いた構造と全く同じで、特にITサービスのサブスクリプションは非常に相性が良く、稼げるサービスとなっているのです。
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アドビは2000年以降、10年以上も低空飛行を続けていた
とはいえ、今でさえ絶好調のアドビも、マイクロソフトと同様に長年停滞期に喘いでいた時期がありました。
逆風の絶頂とも言えるのが2007年で、Webでメジャーに使われていたFlashを巡り批判の的に晒されていたことです。
そもそも、Flashはネット上の動画コンテンツを作成・再生するための技術で、当時なら誰もがインストールしたことのあるソフトウェアですが、今現在ではほとんど使われなくなっています。
そのキッカケはAppleであり、故スティーブ・ジョブズがFlashを痛烈に批判し、アドビの目玉機能であるFlashを徹底排除したことにあります。
Flashが無くても、Appleにはコンテンツが雪崩のように集まっている。もはや、Flashは不要との証しだとして、大々的にアドビを攻撃し、アドビはIT業界のオワコン企業というイメージが世間に植え付けられた。
「今あるアドビの技術のすべては、Appleなどの巨人が全て総取り替えしていくだろう」
誰もが、そう信じて疑わなかったのです。
しかし、10年経った今、AI技術であるAdobe Senseiやら、先述したクラウドのサブスクリプションサービスによって、アドビは水を得た魚のように大復活を遂げたばかりか、株価は当時から10倍以上も上昇する圧倒的パフォーマンスを見せつけた。
アドビの例は、未来を予測することがどれほど困難であるかを示す良い例です。
当時、アドビの将来を予測して株を買ってホールドし続けられた投資家がほとんどいないように、オワコンと評された個別株を持つことは並大抵なことではありません。
とはいえ、S&P500を持ち続けた投資家は世界中にごまんといるわけで、間接的にアドビが含まれているために株価上昇の恩恵を受けているわけなのです。
やはり投資の最適解としてS&P500を買い続けよというバフェットの言葉は偉大であり、投資家はこの言葉を信じて愚直に積み立てを続けるべきです。
今更アドビを個別で買うのは勇気いるけど、S&P500なら余裕で買いに行けるからね
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