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蟹工船より酷い労働環境が、令和現代に存在している 

大正時代、蟹工船というのがありました。

書籍「蟹工船」がここ最近一時的にブームになったことで、言葉だけは聞いたことがあるという人は多いかもしれません。

この本を要約すると、そもそも蟹を漁ることが蟹漁の本来の仕事ですが、船を港に引き上げるまでには時間がかかるため、当時は蟹が腐ってしまうことが問題だった。

そこで、船の中で蟹を加工までしてしまおうぜと妙案を思い付いた人がいた。

それが「蟹工船」であり、乗組員は借金をしているとか、仕事が見つからないという底辺ばかりが集められたわけですが、彼らは毎日20時間近い劣悪な労働環境で働かされ、体調を崩してもお構い無しに働かせられます。

蟹工船を運営している資本家はコスト圧縮によって莫大な利益を得ることに成功したわけですが、そこで働く乗組員は割に合わない給料で人間扱いされず、ひたすら労働に勤しんだのである。

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コンビニオーナーは本部、株主そして社会に搾取されている 

現代版蟹工船と言われているのがコンビニオーナーです。

ローソンのオーナーらで作る総合サポートユニオンは、ローソン本部に団体交渉を求めているのですが、そこで明らかにされたのはオーナーの悲惨な労働環境でした。

記者会見に挑んだ50代の男性オーナーは「6年前の開店から、休めたのは1日だけ。これだけ働いても生活が成り立たない」と話り、労働時間は妻と合計で月650時間にも及ぶと指摘しました。

この男性オーナーはうつ病と医師から診断されており、コンビニ運営が困難と判断したため本部の担当者にFC契約の解除を求めました。

しかし、莫大な違約金を求められ、解除は断念せざるを得ませんでした。

ローソン本部はオーナーらとの団交には応じない考えを示しており、オーナーは泣く泣く現状のブラック労働を続けるしかない。

オーナーはコンビニ運営をするにあたり、借金をさせられ、逃れられない状態にしてから本部に骨の髄までしゃぶり尽くされます。

蟹工船よりもブラックであるにも関わらず、年収もコンビニ本部への上納金で平均的なサラリーマンよりも低いというオーナーもいる。

このように、昔も今も、資本家は労働者を骨の髄までしゃぶり尽くすことで利益を得るのが資本主義社会というものです。

現代の資本家は「株主」であり、たとえば、ローソンの株を買えば、毎年オーナーらから奪い取った利益を何の苦労も無しに配当という形で貰うことが出来ます。

しかし、資本主義の構造を理解しない情弱はこぞってオーナーになろうと自ら蟹工船に乗り込むのです。

世の中に搾取されないためには、まず世の中の仕組みを知ることであり、それが将来のあなたの人生を豊かなものにしてくれるでしょう。

程度の差はあれど、労働者は絶対に豊かになれない象徴ですな

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蟹工船 ─まんがで読破─
小林多喜二
イースト・プレス
2013-06-28