「資本主義は自動的に、持続不可能な格差を生み出す。」
700ページ以上もあり、一冊6,000円もする本が2014年末に世界に向けて発売されるや否や、日本でも社会現象になるほどにバカ売れしました。
その本のタイトルは「21世紀の資本」です。
著者はフランスの経済学者であるピケティで、彼は世界各国の所得や富に関する過去200年の膨大なデータを集め研究した結果、資本収益率は常に経済成長率よりも高いという事実を突き止めました。
その方程式は「r>g」です。
資本収益率は r (株式などの投資リターン)、経済成長率は g (労働収入)を指します。
つまり、彼はサラリーマンなどの労働者がいくら懸命に働こうとも、投資家が得るリターンは労働者の3倍もの収入を生み出していることを証明して見せたわけです。
資本主義社会の構造を知っている人からすれば、至極当たり前の出来事として捉えられているのですが、マネーリテラシーを保持しない層が多い世の中、特に日本人の間では驚きをもって受け止められ、メディアでも連日のようにピケティが取り上げられる事態になった。
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ピケティはこの事実をもって、「投資家になれ」というよりは、労働者と投資家の富が広がり過ぎていることに警告を発することで、格差が是正されることを願ったとのこと。
しかし、実際には書籍発売後も労働者と投資家の格差は広がり続けています。
日本企業でさえも自社株買いや増配で株主に支払うお金を毎年ガンガン伸ばしている一方で、サラリーマンが得る給料は実質マイナスに陥っています。
しかし、ピケティブームで真実を知った人々が投資に目覚めたのか?と言えばそんなことはなく、現実では未だに労働者は給与に頼りきり、会社におんぶに抱っこ状態でした。
彼らはラットレースの真っ最中で、勝者のいない終わり無き道を進んでいることに気付いていません。
株価が上昇したニュースが流れれば、未だに「俺たちには関係ない」というコメントがネットに溢れ、株式投資を遠い御伽噺の出来事と自分に言い聞かせます。
老後に2,000万円が必要とのニュースが流れれば、「そんな金は用意できない!」とこれみよがしに政府を批判します。
このように考えると、資本の集中排除、独占禁止、社会保障、累進課税など、弱者救済の仕組みが十分整備された現代にあっても、日本、いや、世界ではますます格差は広がっていく一方であり、数十年後は一億総中流だった日本でも目を覆いたくなるような2極化が進むことでしょう。
富の格差は急速に拡大しています。
世の中の仕組みが「r>g」であれば、「gからr」になる必要があります。
将来、あなたが r か g のどちらに属しているのかは、今のあなたの行動次第です。
とにかく株を買って資本家側に行くことが大事だね
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