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原油価格は5年前から半額セール状態となっている 


秒速1億円でお馴染みの与沢翼氏の近所であるホルムズ海峡で、日本の石油タンカー2隻が魚雷で攻撃された。

安倍総理がちょうどイランへ訪問している最中に行った出来事であり、中東諸国が意図的に日本を狙ったとするならば、戦争の引き金になることも辞さない。

この事件は世界中のメディアですぐさま大々的に報道され、トランプ大統領は同盟国である日本が攻撃されたのならば報復するとも発言している。

原油産国が集う中東の情勢が不安定になることで、原油供給に影響を及ぼすことが懸念され原油価格は急上昇。

WTI原油先物価格は1バレル40ドル台から50ドル台まで急伸し、エクソン・モービルやロイヤルダッチ・シェルなどの大手メジャーも軒並み上昇しました。

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XOMなどのオイルメジャーは原油価格と相関性がある 

とはいえ、原油価格は5年前までは110ドルを付けていたことを考えれば、今なお半額セールのままであると言えます。

なぜあれだけ枯渇すると騒がれていた原油が、半値まで価値が切り下がってしまったのかと言えば、そこにはシェール革命の存在があります。

50年近く前から「石油の資源は残り約40年」といわれ、石油は枯渇すると何度も言われていましたが、それは「今ある技術で掘削出来る量」で計算されていて、今は技術の革新により当時より何十年先まで石油を確保する術が確立されているのです。

その象徴がアメリカのシェールオイルで、かつては掘削するのは非常に困難でしたが、特にIT技術の向上によって、良質で効率的に掘削地点を見つけることや、掘削が困難とされた地下2,000メートルより深くに位置するシェールを掘削する技術も向上し、一気に石油のパイが増えました。

そのため、今は「今後少なくとも150年以上枯渇する問題はない」と言われており、今を生きる私たちが石油の心配をする必要性は少なからず無くなったと言えます。

供給が増えることで、原油価格が安くなる日本などは恩恵を受けますが、中東の産油国にとっては大問題で、どちらかと言えば世界が石油の心配をしてくれた方が原油価格が高騰することで利益になってトクでしたが、こうなってしまっては何もせずに莫大な収入を得ることは難しくなります。

痛手なのはエクソン・モービルやロイヤルダッチ・シェルも同様であり、原油安では思うように利益が出ないので、経営が圧迫されている状況に変わりありません。

エクソン・モービルの株価チャートを見ると5年前から低迷が始まったのが分かりますが、基本的にオイルメジャーは原油価格と相関があるため、原油が上がらないことには株価上昇は見込めません。

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「石油」の終わり エネルギー大転換
松尾 博文
日本経済新聞出版社
2018-02-17