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10兆円規模のファンドを再び立ち上げた孫正義 

創業者であるジャック・マー会長が昨年引退してからというものの、株価が下がり続けていた阿里巴巴集団(アリババ)。

同社は民間企業の顔をしてニューヨーク市場に株式上場を果たしているものの、実態は中国共産党が運営していることはよく知られており、中国人にアリババしか使わせないことで内需拡大で成功した企業でした。

アリババは中国国内で成功してはいるものの、同社のサービスを利用しているのはやはり中国だけで、欧米諸国では全く使われていません。

トランプ大統領はファーウェイをスパイ企業として標的にしていますが、中国政府が絡んでいる点から実はアリババも狙われている。

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アリババの成長は中国の成長、アリババの失速は中国の失速 

ソフトバンクGは2000年にアリババに20億円を出資しており、IPO時には超単位の多額の利益を得ることに成功しました。

しかし、10年以上の蜜月関係が続いたアリババの株を売却することを先日発表し、ソフトバンクGは今期決算に1兆2,000億円を計上する見通しとのこと。

株売却に至ったのは、単にアリババに見切りをつけたわけではなく、ソフトバンクGのお財布事情が関係しています。

ソフトバンクGは携帯電話会社ではなく、大半の利益をソフトバンク・ビジョン・ファンドと呼ばれる投資で稼いでいますが、数ヶ月のうちに数十億ドル、数百億ドルを出資しまくり、早々に10兆円の予算を使い切ってしまった。

先日、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2の構想をブチ上げ、再び10兆円規模のファンドを作ると宣言してはいるものの、借金だらけのソフトバンクGは資金調達に難航していて、もはや有望なスタートアップに投資する体力は残っていない。

そこで、ソフトバンクGは成長が頭打ちとなったアリババを売却することで、次の有望なスタートアップ企業に投資する資金を確保したい狙いです。

ファンドのすべての決断を行っているのが孫正義ですが、彼の判断は的確です。

中国経済のGDP成長率も低下、アリババの成長も鈍化している中で、米中貿易戦争で欧米進出を完全に排除された格好である中国企業に投資しても、これ以上の果実を得ることは難しいためです。

もともとソフトバンクは中国系企業と繋がりが深く、アリババのみならずファーウェイとも密接に協業をしていたわけですが、ここ最近は中国企業と距離を置き始めている。

孫正義に見捨てられるくらい中国経済の低迷はヤバイ状況なんだよな

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孫正義 300年王国への野望
杉本 貴司
日本経済新聞出版社
2017-06-15