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世界中の投資家から注目を集めたLyft 

アメリカ配車サービス2位のリフト(Lyft)が、先月末に上場しました。

日本ではUberの知名度は高く、リフトの知名度はほぼゼロに近いほどありませんが、リフトはここ数年でシェアを伸ばしていて、Uberに迫る勢いで急成長しています。

リフトは投資家からの期待値がUberほど高くないものの、まだUberが未上場であったことから、初の配車サービス会社の上場として注目を集めました。

上場初値は87.24ドルで公開価格を大きく上回りましたが、投資家からの利確売りが殺到し結局終値は78.29ドルと初値よりも10%ほど下げて終了しました。

その後も売りは止まず、上場3日で68ドルにまで急落、初値でリフトを買った投資家は大きな含み損を抱えています。

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成長鈍化が嫌気され売られ続けている 

今後、大本命Uberの上場が控えていることから配車サービス関連のIPOが盛り上がりを見せそうですが、投資家は配車サービスに過度な期待をしない方が良いでしょう。

確かにUberはタクシーなどの配車業界を根底から覆す画期的なアイデアではありましたが、参入障壁が致命的に低いので、同じような会社が乱立し始めています。

やっていることは、AWSなどのクラウド上に配車システムを構築し、あとはドライバーを募集します。

あとはドライバーが顧客を乗せて、運賃が支払われるごとに20%の手数料を徴収するという構造です。

これは、クレジットカードのVISAやMastercardが、利用者が決済するごとに5%の手数料を徴収するシステムに似ていますが、配車サービスが致命的なのはドライバーさえ集めればすぐに運営が可能となってしまうためで、クレジットカードなどのITシステム中心のビジネスモデルとは根本的に異なるのです。

たとえば、ITシステムのネットワークは多額の投資コストをかけなければなりませんが、自動車が運転するには既に敷設されている道路を使えばいいわけなので、投資コストが極限に低いのです。

タクシー業界が薄利多売の過当競争に陥ったように、今ではUberのような配車サービスは飽和状態になっていて、思うように儲けを出せない可能性が高い。

ちなみに、日本ではまだまだUberのような配車サービスはありません。

日本では政府の規制が厳しいので、素人が営業許可を得ずに自家用車に客を乗せて商売する白タク行為は禁止されています。

永続的に儲けられるビジネスを作るのは大変なことなんだ

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世界のライドシェアとタクシー
熊澤義一
株式会社エス・ジー・エム
2017-07-15