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利上げは株価急落を誘うのに、なぜ利上げをするのか? 

2018年を振り返ると、アメリカ株式市場はFRB(米連邦準備理事会)の「利上げ」によって何度も暴落していました。

FRBとはアメリカの中央銀行のことで、日本でいう日銀を指します。

利上げによってなぜ株式市場が暴落したのか?と言えば、利上げは金利の上昇を意味するので、莫大な借金をしながら経営を行う企業群にとっては利子の支払いが膨張することによって、業績が落ち込む可能性があるためです。

株価急落により、トランプ大統領はFRBを名指しして、

「彼らは間違いを犯している。引き締めすぎだ!FRBはクレ○ジーだ!」

と、利上げ路線を批判し続けています。

これらの構図から「利上げ=悪影響」という方程式になるように思われますが、それでもなおFRBは利上げに対して積極的です。

なぜ、彼らはそこまでして利上げを実行しようと考えるのでしょうか?

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利上げは急激な景気過熱を抑える重要な役目がある 

その目的は、景気の過熱を防ぐためであり、すなわち急速なインフレ抑制です。

国が発展していくにはインフレは必要不可欠ではありますが、急速なインフレ化は人々の生活を苦しめ、社会不安を引き起こす恐れがあります。

そのため、FRBは好景気には利上げを実行することで、リーマンショックの金融緩和でたくさん刷ったドルを金利上昇で縮小させ、ドルの価値を急激に下げないようにするわけです。

■利上げ効果
・銀行は中央銀行からの借入を減らす
・経済におけるお金の供給量が縮小する
・銀行は企業や消費者に対する融資を縮小する
・企業や消費者は金利が高いため借りにくくなる
・消費や投資が減速し、経済成長が鈍化する
・経済成長が鈍化すると、インフレが抑制される

一方で、日本はアメリカとは逆に「マイナス金利」という利下げ政策をやっています。

この目的は金融緩和であり、市場に流れるお金を増やし、利子を低くすることで積極的に景気を刺激していこうという政策です。

この政策を行うと、利上げ効果の逆転現象が起こります。

つまり、不景気のテコ入れとして利下げを行うわけなので、経済的な観点では依然として日本は不景気フェーズのままなのです。

対して、FRBは利上げをしています。

アメリカの景気は絶好調であり、ある程度引き締めを行いながら「緩やかなインフレ」をこれからも目指していくというわけです。

景気が絶好調ということは、利子の支払いなど気にならないほどに企業収益を上げる可能性も高く、結果的には株価上昇の恩恵をもたらします。

つまり、アメリカの歴史を振り返れば、利上げ、利下げなどの暴落は一時のイベントに過ぎず、長期的に見ればそれはノイズにしかなりません。

継続的に経済成長が続くのがアメリカであって、投資家はどっしり構えて淡々と積み立てするだけで良い。

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伝説のFRB議長 ボルカー
ウィリアム・シルバー
ダイヤモンド社
2014-02-07