
異例のトップ交代により、解体が加速する名門企業
かつて「選択と集中」によって事業建て直しを成功させたゼネラル・エレクトリック(GE)。
当時の日本企業は、ここぞとばかりGEを経営のお手本としていました。
GEはもともと、電球から始まり、いくつもの画期的な家電を発明したことで有名な発明家のトーマス・エジソンが創設した会社で、後に電力やヘルスケア、半導体に航空機と、世界最大のコングロマリット企業としてアメリカを代表する企業へと成長を遂げました。
GEは選択と集中という名の下に、競争優位性のある電力事業などを残し、利益の出ない部門は次々と売却をしていき、利益率向上を果たしたわけです。
そもそも、エジソンはもともと発電から送電まで電気の事業化に成功したことが最も大きな功績であり、ある意味「電力事業」というのはGEのお家芸でもあったわけです。
温暖化対策に積極的に取り組む方向に大きく舵を切ったオバマ大統領の時代には、環境・エネルギー政策により、太陽光や風力などの再生可能クリーンエネルギーを一定量導入することを義務付けることを電力会社に強制し、GEは莫大な利益を上げました。
そして、グローバル社会が到来したことで飛行機需要が拡大、航空機部門も右肩上がりで成長し、オバマケアでヘルスケア部門も大儲けしました。
日本の東芝もGEをマネして電力事業などの利益率が良い部門を残し、不採算事業は次々と切り売りしていきましたが、利益率が良かったうちは良かったものの、電力事業が大赤字を計上してからは会社の屋台骨は一気に傾く結果になったのです。
つまり、「選択と集中」は一見合理的な施策に見えますが、これは「諸刃の剣」とも言えます。集中投資した部門が一度傾いたとするならば、会社の業績はたちまち急カーブを描くことになる。
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先進国の「モノづくり」は難しい局面に来ている
GEの株価は1年半前から-66%と大暴落を記録しています。
配当金は0.12ドルから0.01ドルと転げ落ち、1年半前から配当-99%と、もはやこれは無配に近い。
現在は電力事業、航空、ヘルスケアに集中しているGEですが、製造業の競争力は国際競争で落ちているため、今後も利益を改善するのは難しい可能性が高い。
そもそも、製造業というのはいくら画期的な技術や商品を保有していたとしても、競争が激しすぎるため優位性が極めて低く、ダンピング合戦に陥り易い。そのため、最終的には「価格」がモノを言う世界となり、今は中国製品に押されています。
歴史を振り返れば、1900年代前半はアメリカがモノづくり大国だった時代もありましたが、1900年後半になれば日本が圧倒的な追い上げを見せて家電や車の産業を奪っていきました。
これは結局のところ「日本の製品が安かった」からであって、製造業はいくら良い商品を作ろうが、高ければ全く売れません。
今現在の2000年代前半には、中国が日本のモノづくりを奪っているように、モノづくりというのは人件費の安い新興国に市場を喰われるのは時代の変化としては当然で、先進国となり人件費の高騰した国に優位性などは無くなってしまうのです。
日本のモノづくりの象徴である大企業も、数々のデータ不正が横行していますが、これは世界的なダンピング合戦に勝てないから仕方なくやっているわけで、いわば延命治療の悪あがきに近いのです。
人件費が高騰している中国もいずれは「次の国」にシェアを奪われることになり、美的やハイアールもGEや東芝と同じ末路を辿るでしょう。
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