
シェール革命の影響で、石油王は減少していくと見られる
サウジアラビアなど中東の産油国で構成されるOPECや、非加盟国のロシアといった主要産油国が、原油増産を見送ったことを受け、原油価格が急上昇しています。
原油高の恩恵を受けるとされる石油メジャーのエクソン・モービルや、ロイヤル・ダッチ・シェルの株価も堅調に上がり続けており、高い配当とともに投資家に利益をもたらしています。
原油というのは中東諸国しか取れないというのが今までの常識でした。
彼らによって価格は全てコントロール可能で、産油国は今まで散々あぐらをかいていた。
彼らによって価格は全てコントロール可能で、産油国は今まで散々あぐらをかいていた。
石油王という言葉が日本でもあるように、産油国というのは何もしなくても莫大なお金が入ってくるので、彼らは「有り余る金を使い切ることが出来ないのが悩み」という冗談のような生活を送っていました。
そのため、金を使うことこそが美徳とされ、働くのは全て外国人にさせています。
産油国は福祉も充実していて、行政サービスは全て無料、納税の義務も無い。
しかし、技術革新によってアメリカでシェールオイルが腐るほど取れることになったため、WTI原油先物は2014年の1バレル110ドルをつけてから、30ドルへ真っ逆さまに急下降したのです。
増産を続ければ、供給過多によって原油価格は落ち続けるので、中東諸国の収入は激減します。
そのため、OPECにて増産をやめる取り決めを試みるも、非加盟国のロシアがなかなか減産に合意しなかったのが足かせとなっていた。
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OPEC加盟国が減産しても、ロシアやアメリカが増産すれば加盟国だけが損をします。
そのため、今回のように非加盟国であるロシアなどが同時に増産を見送った意味は大きく、市場に好感されています。
そのため、今回のように非加盟国であるロシアなどが同時に増産を見送った意味は大きく、市場に好感されています。
今後は「石油王」としてあぐらをかいていた中東も、アメリカが技術革新でどんどん石油が掘れるようになったことで、今まで通りのリッチな生活を維持するのは困難になるかもしれません。
50年近く前から「石油の資源は残り約40年」といわれ、石油は枯渇すると何度も言われていましたが、それは「今ある技術で掘削出来る量」で計算されていて、今は技術の革新により当時より何十年先まで石油を確保する術が確立されている。
その象徴がシェールオイルで、かつては掘削するのは非常に困難でしたが、特にIT技術の向上によって、良質で効率的に掘削地点を見つけることや、掘削が困難とされた地下2,000メートルより深くに位置するシェールを掘削する技術も向上し、一気に石油のパイが増えました。
そのため、今は「今後少なくとも150年以上枯渇する問題はない」と言われており、今を生きる私たちが石油の心配をする必要性は少なからず無くなったと言えます。
供給が増えることで、原油価格が安くなる日本などは恩恵を受けますが、中東の産油国にとっては大問題で、どちらかと言えば世界が石油の心配をしてくれた方が原油価格が高騰することで利益になってトクでしたが、こうなってしまっては何もせずに莫大な収入を得ることは難しくなります。
とはいえ、OPECを中心とした産油国の人々は、今まで働かなくても食べていけることが当たり前だったため、彼らの危機意識はかなり薄い。

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とはいえ、OPECを中心とした産油国の人々は、今まで働かなくても食べていけることが当たり前だったため、彼らの危機意識はかなり薄い。

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