DSgetydVwAEgsmL.jpg-small
「働いたら負け」は散々バカにされたが、実際正しかった 

トマ・ピケティ氏の著書「21世紀の資本」は、700ページ以上にも及ぶ大作で、値段も6,000円します。決して読み易くないのにも関わらず、150万部も売れて全世界で大ベストセラーとなりました。

なぜ、こんなにも売れたのか?

といえば、所得格差が拡大する今日の世界では、自身の将来に対する不安から、経済への注目度が高くなっているからです。

実際、日本でもこの本をよりわかり易く伝える関連書も何万部も売れており、資本主義に生きているのに資本主義を知らなかった人にとっては、とても衝撃的に映っているようです。

ピケティが伝えたかったことを端的に説明すると、「労働者(g)がいくら血ヘドを吐きながら身を粉にして働こうとも、資本家(r)が得るリターンの方が遥かに大きいのが資本主義だよ」ということです。

アメリカを例にすると、上位10%の金持ちは1980年からなんと2倍以上も資産が増えていて、格差の大きかった第二次世界大戦前の水準よりも、今は格差が広がっていることになります。

この現象はヨーロッパや日本でも同様で、決して対岸の火事では無いのです。

SPONSORED LINK


では、金持ちはなぜさらに金持ちになれるのか?

と言えば、投資資産を持っているからです。

金持ちは現金で資産を保有することなどは絶対に無く、大半を株式投資や債券などのリスク資産で保有しています。

リスク資産と聞くと、日本人は途端に拒絶反応を引き起こしますが、資本主義社会は緩やかなインフレで発展していくことを前提に設計されたものなので、現金を保有しておくほどリスクでした。

たとえば、アメリカの経済学者であるシーゲル氏によれば、1802年に1ドルを「株式とドル」それぞれを保有して、2003年には一体いくらになったかを調べたところ、株式は597,485ドルまで膨れ上がり、ドルは0.07ドルまでに目減りしてしまっていたのです。

つまり、庶民は現金を持ち続け、お金が一向に増えることはありませんでしたが、株式を多く保有する金持ちは何倍にも資産が膨れ上がったことになります。

この現象はアベノミクスでも顕著であり、日本でもこれから資本主義の残酷な現実が痛いほどに証明されていくことになるでしょう。

「格差のない社会を実現する」

と政治家は声を大にして庶民や貧困層にPRしますが、そんなのは票獲得のための方便に過ぎず、資本主義国家である以上は格差は拡大していくのです。

「r」のリターンとは、株などの資産運用から得られる利益率のことで、資本収益率を指します。

「g」のグロースとは、働いて得られる所得の伸び率のことで、経済成長率を指します。

ピケティが伝えたかった残酷な現実とは、「g」でいくら頑張っても「r」には絶対に届くはずも無く、格差は毎年のように拡大するということです。

ならば、たとえ今は「g」の立場であろうとも、株を買ってみるなど行動することで、少しでも「r」にいける努力を始めることが重要でしょう。

にほんブログ村 株ブログへ
1日1回応援お願いします♪

SPONSORED LINK