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人が居ない離島でさえ、不相応で立派な郵便局が必ずある 

日本郵政グループは数年前、持ち株会社である日本郵政とその子会社であるゆうちょ銀行、かんぽ生命と共に巨額IPOを行い、東証1部に上場しました。

NTT以来の巨人と言われ、IPOのために全国放送でCMまでする力の入れようだったこともあり、このIPOをきっかけに株式投資を始めた人も多くいたようです。

実際に、郵政3兄弟は公募価格より大きく上昇し、「IPO投資は儲かる!」という印象を根付かせるのに効果的だったようで、その後しばらくはIPOがブームになったほどです。

とはいえ、上場時こそ3社は好調にスタートしたものの、その後は経営の手詰まり感で投資家から見放され、株価は大きく下げています。

冷静に考えれば、NTTは電話からインターネットに変わることから将来的な成長ストーリーが見えていましたが、日本郵便はメールに替わり、ゆうちょはキャッシュレス社会の到来やマイナス金利で喘ぎ、かんぽは若者が保険に入りませんので、この先も稼ぐ力を失っている状況です。

悪あがきなのかどうかは分かりませんが、昭和時代に掻き集めた巨額な資金を武器に、ジャニーズやお笑い芸人などの有名人を起用した大量のCMを放送して、認知向上と利用拡大を図っていますが、誰が見ても日本郵政グループのジリ貧は確定しているでしょう。

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日本郵政グループの足を特に引っ張っているのが、傘下の日本郵便です。

日本郵便は文字通り郵便局を構え、全国に郵便を届ける事業が中心です。

公共性が高いビジネスではあるものの、昨今における人口減とIT化の波に押され、今では郵便を利用する人は大幅に減少し、毎年大きな赤字を垂れ流しています。

赤字を垂れ流しているのに、相変わらず売れないハガキなどのオワコン商品を主力にし続けており、社員らに自爆営業をさせています。

そもそも、ITインフラやスマホが整った日本では、高齢者さえもメールが中心となっており、もう誰も郵便局には行かないし、これからも利用する人は減り続けます。

しかし、なぜか今でも全国に郵便局は張り巡らされており、誰も住んでいないような離島にまで不相応な立派な郵便局が存在しています。そこにはもちろん人件費や不動産コストがのしかかっており、赤字を垂れながす要因となっているのです。

さらに、郵便システムにも大きな欠陥があります。

たとえば、人口が10人程度しかいない離島でさえ、100円に満たない料金で配達を引き受けなれけばならないため、ビジネスとして考えた時には全く旨みがありません。

民営化された以上は、株主から利益を追求されるので、本来であればガンガン値上げをしていくべきですが、法律で一定料金を定められていることからカンタンに値上げすることは難しいのです。

そのため、日本郵便は料金値上げではなく、不採算の郵便局を無くし、儲かる都会に事業資源を集中させていくことにやっとのこと舵を切っていくようです。

たとえば、この手法は他の企業もやっていて、JR九州も上場してからというものの、不採算の路線を大幅に減便または路線廃止という措置を拡大しています。

減便対象は全路線の22路面、1日あたり117本にも及び、新幹線や福岡都市圏までも対象となっていることから大きな波紋を呼びましたが、上場した以上は不採算事業は切り離すのは株式会社としては当然です。

さらに、JR九州の収益の柱は、今や鉄道ではなく不動産経営やドラックストアなどのサービス事業で、儲からない鉄道事業は切り捨てていく方針を推し進めていくと言います。

この流れは金融業も同じで、メガバンクは全国のあちこちにATMを設置していますが、維持コストが高いのと、キャッシュレス化に伴う利用者減で今後は大幅に削減を行います。

みずほFGの社長は、「ATMはいずれ公衆電話のように消えていくだろう」と予想しており、現金派が多い日本人にとっては痛手ですが、ビジネスと考えた場合には合理的です。

日本郵便も同じで、株式会社である以上は不採算ビジネスは潰さなけば会社が成り立たないので、何のために存在するのか分からない離島、そして地方の郵便局は徐々に無くなっていくでしょう。

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日本郵政: JAPAN POST
井手 秀樹
東洋経済新報社
2015-03-20