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物言う株主としてお馴染みの村上氏 

長らく対立が続いていた出光興産と昭和シェル石油の経営統合で、合併に反対していた出光の筆頭株主と創業家の主要メンバーが賛成に転じたことが分かりました。

あれほどまで経営陣との対立を繰り広げていた出光創業家が、一転して賛成派に回ったことで、日本の石油業界の再編は急速に進んでいくように思われます。

しかし、出光の名誉会長らは今まで通り反対を貫く構えであり、道のりは決して平坦ではないようです。物言う株主として知られる村上世彰氏が出光株を保有しているばかりか、香港の投資ファンドまでが出光と昭和シェルの株を大量に購入しているからです。

合併にあたって物言う株主から注文が出ることは必至であり、果たして1年後に計画通り合併が進むのか注目されます。

さて、物言う株主という形容は、日本のメディアがよく使う表現です。

なぜあえて株主のことを「物言う」と前置きをする必要があるのかというと、

そもそも日本の投資家は経営に何にも言わないし、

企業が不正をしても怒りもせず黙っているから

です。

つまり、”株主が経営に注文をつける”という当たり前の行為が、日本では珍しい行為になっているが故に、空気の読めないヤツに対する負のレッテルとして、あえて「物言う株主」と言われるわけです。

日本の株主が機能不全であり続けた結果、日本の大手企業は調子に乗った上に、胡座をかいています。

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たとえば、先述した出光興産は年間40兆円を売り上げるまさに日本を代表する大企業ですが、そんな出光でさえカンタンに株主を裏切る行為に走ります。

昨年の夏、創業家側と経営陣の対立問題に揺れる出光興産は、合併の特別決議を拒否できる3分の1超の議決権である33.92%の同社株式を保有する創業家側の持ち株比率を希薄化し、昭和シェルとの早期の合併実現を図る手段として増資を利用しました。

通常、増資とは新たに株を発行することで資金調達をし、設備投資や借入金を返済する手段に用いられますが、そもそも3割もの大増資を行う経営的背景は出光には存在しませんでした。

なぜなら、当時の出光はシェール革命により石油は供給過多状態。原油価格は過去に類を見ない程下落しており、新たに設備を打つなどフツーでは考えられないからです。また、出光の自己資本比率は20%以上と安定した水準であり、わざわざ増資してまで借入金を返済する必要性もありませんでした。

つまり、お家騒動の解決手段として株主権利を悪用したのです。

裏切りの増資を発表した出光の株価は、前日比-11.17%下落の大暴落となりました。

このような増資はいわば、資本主義のルールを徹底無視した行為に値します。株主の利益のために働く経営陣が、政治的な理由で株主権利を希薄化させる暴挙に出ているからです。

資本主義理念が深く浸透している米国では、即刻訴えられて然るべき事案になるでしょう。

しかし、この件があっても、株主たちは訴えるどころか何も言わずに出光の株を保有し続けました。

経営陣を甘やかす株主と、甘えた経営を続ける経営陣。

村上氏のような「モノ言う株主」がいなければ、日本企業は東芝のように腐敗の一途を辿ります。

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生涯投資家
村上 世彰
文藝春秋
2017-06-21